巨人“丸ガツオの叩き2発”1不敗神話だ10戦全勝、勝浦出身がわっしょい主役“坂本マグロ”に負けじ

[ 2021年8月15日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―1中日 ( 2021年8月14日    東京D )

<巨・中>初回、右越え3ランを放ちナインの出迎えを受ける丸(撮影・森沢 裕)
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 豪快な「わっしょい」弾だ。巨人・丸佳浩外野手(32)が14日、中日戦の初回に逆転3ランを放つなど、2本塁打4打点と大暴れし連勝に貢献した。これで、今季は本塁打を放った試合は10戦無敗の不敗神話も継続。原辰徳監督(63)が後半戦を祭りのみこしに例えた「わっしょいベースボール」の担ぎ手として、逆転優勝の中心となる。

 祭りを盛り上げる花火を上げた。初回無死一、二塁から、丸が右翼ポール際へ弾丸ライナーの逆転11号3ラン。1点を先制された直後の攻撃で、1番からわずか9球での逆転劇を演じてみせた。

 「コース的には厳しいボールだったので、本当にうまく打てたなと自分でも思う」

 自賛する技あり弾で主砲の号令に応えた。試合前の円陣。声出し役の岡本和が「昨日はちょっとわっしょいが遅かったんで、今日は初回からいきなりわっしょいして、やっていきましょう」と声を上げた。前夜、8回に3得点した逆転勝利を「わっしょい」と表現。主砲の言葉通り、初回から打線が機能した。丸は6回にも12号ソロ。本塁打なら10戦連勝の3番の2発に続き、岡本和も8回に28号ソロを放った。

 千葉県勝浦市出身の丸。地元では毎年9月に「勝浦大漁まつり」があり、19基のみこしが出陣する「一斉担ぎ」が行われる。みこしを担いだ経験には「めっちゃありますけど、(話を)広げられてもちょっと恥ずかしいので、ありますぐらいで(笑い)」と答えたが、みこしは慣れ親しんだものだ。

 前半戦は不振で2軍調整も経験したが、後半戦の2試合で打率・429、2本塁打、5打点とこれ以上ないスタート。「力感なく、バランス良く振れている時は、結果が出ている時だと自覚している」と手応えを口にした。

 勝浦は国内有数のカツオの水揚げ港でもある。秋に旬を迎えるのが脂の乗った「戻りガツオ」。1ゲーム差の首位阪神も勝利し、奪首こそ逃したが、逆転Vでの3連覇を目指す終盤の戦いに、丸の脂の乗ったバットは不可欠。原監督は後半戦開始直前に、東京五輪野球で金メダル獲得に貢献した後も、わずかな休養で働き続ける坂本を「マグロ」と例えたが、丸は「カツオ」のように秋に旬を迎える。

 個人では広島時代からリーグ5連覇中。丸は「非常に勢いに乗ってきてますし、本当にみんなが一つの目標に向かって足並みそろえていけている」とした。優勝請負人が本領を発揮し、頂点までみこしを担ぎ上げる。(小野寺 大)

 ▽勝浦大漁まつり 9月中旬に4日間にわたって千葉県勝浦市の勝浦漁港周辺で行われる秋の祭り。江戸時代後期が起源とされている。例年、初日にみこしの練り歩きから始まり、江戸後期築造の屋台の引き回し、みこしの船渡しなどが行われ、漁師町ならではの威勢の良さが魅力。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。

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