剛腕支える明桜の兄弟二遊間 兄の石田一斗が同点打

[ 2021年8月15日 15:09 ]

第103回全国高校野球選手権大会1回戦   明桜4―2帯広農 ( 2021年8月15日    甲子園 )

<ノースアジア大明桜・帯広農>5回2死一、三塁、左前に同点適時打を放つノースアジア大明桜・石田一(撮影・成瀬 徹)
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 兄弟で二遊間を守り、絶対的なエースを援護し、校歌を歌った。明桜の「3番・遊撃」の石田一斗(いっと=3年)と「7番・二塁」の弟・恋(れん=2年)。降雨ノーゲームから3日、待たされてつかんだ甲子園1勝は最高だった。

 「兄弟で(二遊間を)守るのは珍しいかもしれないけど、普通のチームメートとしてプレーした」。兄・一斗はそう言ったが、秋田大会でわずか1失策の二人は甲子園でもノーエラー。堅い守りで風間を盛り立てた。

 打っても一斗は1点を追う5回2死一、三塁から左前へ同点タイムリー。一塁走者・土居健太(3年)がスタートを切り、二塁ベース方向へ動いた帯広農の遊撃手の逆を突く一打だった。「(サインは)盗塁だったので(結果的に)エンドランになった」。続く一、三塁の場面では二盗を決め、4番・真柴育夢(3年)の右前打で4点目のホームイン。自慢の足も絡めて逆転勝利に貢献した。

 実家のある大阪・羽曳野市で兄弟一緒に野球を始めたのは一斗が小学2年のとき。実は小学1年から入団可能だったが、母・貴子さん(48)から「恋が寂しがるから一緒にやろうね」と言われ、1年待って一緒にチームに入った。そして一斗が甲子園を目指して明桜に進学し、恋も1年後に明桜へ。昨秋から二遊間を組み、今夏、兄弟で夢を叶えて甲子園の舞台に立った。

 「次はもっと厳しい試合になる。コンディションを整えてしっかりやりたい」。甲子園1勝にも、一斗は気持ちを引き締めた。石田兄弟の熱い夏は、まだ続いていく。 (秋村 誠人)

 ◇石田 一斗(いしだ・いっと) 2003年(平15)6月2日生まれ、大阪府羽曳野市出身の18歳。小学2年から島泉ファイブボーイズで野球を始め、高鷲中時代は藤井寺ボーイズで投手と三塁手。明桜では1年秋の東北大会からベンチ入りした。1メートル72、76キロ。右投げ右打ち。

 ◇石田 恋(いしだ・れん) 2004年(平16)11月3日生まれ、大阪府羽曳野市出身の16歳。小学1年から島泉ファイブボーイズで野球を始め、高鷲中時代は藤井寺ボーイズで二塁手。明桜では1年秋の秋田県大会から背番号4でベンチ入り。1メートル73、68キロ。右投げ右打ち。

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