楽天・オコエ速攻!また先制打!!首位オリ“マンマーク”0・5差 五輪銀の妹・桃仁花から刺激

[ 2021年8月15日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7―6西武 ( 2021年8月14日    メットライフD )

<西・楽>2回1死一、三塁、適時打を放ちガツポーズするオコエ(撮影・白鳥 佳樹)
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 ファストブレーク(速攻)は失敗した。初回無死一、二塁、楽天は3番・浅村が右翼への大飛球。2人の走者はスタートを切ったが、右翼手の愛斗に好捕された。走者は戻れず二塁→一塁へ転送され三重殺。相手に傾きかけた流れのスチール(奪う)に成功したのが、オコエだ。

 2回1死一、三塁。外角スライダーに逆らわなかった。鮮やかに中前へ運ぶ先制適時打。「チャンスだったので、先制できて良かった。昨日と変わらないし、特に変えてないです」。前日の西武戦で2年ぶりに1軍出場を果たし、同じ2回に先制中前打を放った。オコエの2戦連続先制打でつくった流れを手放さず、一度も勝ち越しを許すことなく1点差で競り勝った。

 鳴り物入りで15年のドラフト1位入団。だが5年目の昨季は初の1軍出場なしに終わった。「精神的にきつかった」。今季も2月の左手首手術など大きく出遅れ、実戦復帰は6月末だった。

 支えの一つが1学年下の妹・桃仁花(もにか)の活躍だ。女子バスケットボール日本代表で、東京五輪では銀メダルに貢献。「凄くうれしい。オコエきょうだいで活躍したいと昔から思っている」。妹のポジション「パワー・フォワード」は番号では「4番」と呼ばれる。アスリートとして妹をリスペクトする兄の背番号も4だ。

 8回1死三塁では、ダーモディとマッチアップ。3球ファウルの後、空振り三振したが石井監督は「何とか食らいついていく気持ちが出ていた。結果は三振でも内容的に非常に評価できる打席」と評価した。それでもオコエは「1打席目の入り方は2試合とも良かったが、まだ1打席目しか結果が出ていない」と貪欲だ。

 後半戦2連勝で、マンツーマンマークの首位オリックスに0・5ゲーム差に迫った。前半戦不在の男がキーマンになる気配を漂わせ15日、6月29日以来の首位を狙う。(後藤 茂樹)

 【「月に土地買いたい」オコエのプロ人生】

 ☆1年目(16年) 12球団の高卒新人で唯一の開幕1軍入り。3月25日の開幕戦で代走でプロ初出場、6月18日のDeNA戦ではプロ初本塁打。10月の契約更改で将来「月に土地を買いたい。限られた人しかできなさそうだから」と豪語。

 ☆2年目(17年) 春季キャンプ直前に胃腸炎を発症。キャンプ初日の緩慢な動きに当時の梨田監督が「野球をなめている」と激怒した。翌2月2日に右手薬指付け根の剥離骨折の疑いで離脱。8月に1軍復帰、同31日の西武戦で先頭打者弾。

 ☆3年目(18年) 5月に右大腿二頭筋を損傷して長期離脱。

 ☆4年目(19年) 3年ぶりに開幕1軍入り。8月31日のイースタン・西武戦ではサイクルヒット達成。

 ☆5年目(20年) 1軍出場なし。12月25日の契約更改では石井新監督から「そろそろ出てこないと野球人生が苦しくなる。ここが正念場。考えが甘い」などとハッパを掛けられた。

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