ダルビッシュ 苦手意識あるデーゲームで7回1失点で5勝目 実は夜より昼が好成績なんです

[ 2021年5月25日 02:30 ]

インターリーグ   パドレス9ー2マリナーズ ( 2021年5月23日    サンディエゴ )

〈パドレス・マリナーズ〉5勝目のダルビッシュ(AP)
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 悲願の世界一に向け、いよいよ加速モードだ。パドレスのダルビッシュ有投手(34)がマリナーズ戦で7回を投げ、7安打1失点、無四球の5三振で5勝目(1敗)を挙げた。苦手意識のあるデーゲームで粘りの投球を見せ、自身4連勝をマーク。チームを09年以来12年ぶりとなる9連勝と、両リーグ最速の30勝到達に導いた。

 1メートル96、100キロ前後の体躯(たいく)を誇りながら食が細いのがダルビッシュの悩みだ。それが朝には如実に出る。「妻が朝ご飯を用意してくれたけど、あまり食べられず…。球場に来てからバナナを食べて。もうちょっと食べた方がいいと思っています」。エネルギー不足をカバーできる技術を持っているのが、ダルビッシュの強みだ。

 毎週日曜日のホームゲームで迷彩柄のユニホームを着用するパドレス。移籍後初の日曜日登板で存在感を示した。被安打7は今季2番目の多さで奪三振も今季2番目に少ない5。「デーゲームでも、ナイターのような体の強さがあればいいんですけど」。力が入らない分、配球を変えて変化球を駆使した。フォーシームとツーシームの速球系は16球で全体の17%。今季平均の25%より少なかった。

 1―1で迎えた6回1死一、三塁のピンチ。5番で左打者のゴドイを迎えた。「(過去の打席で)スライダーを結構投げて意識しているので、そうなればカッターは絶対に詰まる。スライダーと同じ軌道の強めのカッターであればゴロになりやすい」。狙い通り、86マイル(約138キロ)の低めカットボールで二ゴロ併殺。直後に味方が勝ち越し、7回1失点で白星を手にした。

 「デーゲームに強くない」というが、メジャー通算防御率は3・02、勝率は・595と、ナイターの3・52、・563を上回る。苦手意識があってもマウンドでは好結果を出す。

 今月12日、新型コロナ関連でタティス、ホスマーら主力5人が離脱した時もダルビッシュは冷静だった。「このチームの良いところは負けていても、誰かがいなくても、雰囲気が変わらないこと」。自身は4連勝でナ・リーグ4位の防御率1・75と首位のチームを支えている。本拠地での9連戦9連勝に「これ以上ないホームスタンド(連戦)だった」と手応えを口にした。

 《迷彩柄のユニホームで軍への感謝》パドレスの本拠地であるカリフォルニア州サンディエゴには西海岸で最大規模の軍港があり、海軍、海兵隊基地を備える米国の軍事拠点。トム・クルーズ主演のヒット映画「トップガン」の舞台にもなった。軍への感謝と敬意を表すため、パ軍は00年から一部試合で迷彩柄のユニホームを導入。08年以降は毎週日曜日のホームゲームのほか、5月最終月曜日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)、7月4日の独立記念日、9月第1月曜日のレイバーデーでも着用している。

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