「月を見て“綺麗だね”」 印象的だった広島・森下&羽月のお立ち台

[ 2021年5月25日 08:30 ]

笑顔でヒーローインタビューを受ける森下(右)と羽月
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 試合後のヒーローインタビュー。ファンの間では略して「ヒロイン」と呼ばれる。ヒーローなのにヒロインというのも洒落ている。今季ここまでのヒロインで個人的に最も印象に残ったのが、4月27日の広島・森下と羽月がお立ち台に上がった時のものだ。

 森下が2年目の23歳で、羽月が3年目の21歳。試合前日の「激萌え」といってもいいエピソードを明かしたのは羽月だった。「昨日、屋上で森下さんと一緒に月を見て“綺麗だね”と。それが力になった」。きっと、合宿所の屋上で一緒に空を眺めていたのだろう。森下も「昨日の夜に“一緒に頑張ろうね”と言って寝たので、打ってくれて本当に良かったです」。4月26日は満月「ピンクムーン」の前夜。さぞかし綺麗だったはずだ。

 「月が綺麗ですね」。ネット上ではこのヒロインへの反応で「文豪か」との声が多く聞かれた。それは文豪・夏目漱石のエピソードに由来する。彼が英語教師をしていた際、生徒の前で「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話に基づいている。

 ただ、夏目漱石がそう訳したという文献は実際にはないとのこと。ならば誰が考えたのか、となるが、いずれにしろ非常にロマンティックな比喩表現。ちなみに新世紀エヴァンゲリオンの登場人物である渚カヲルにも、「月が綺麗だね、そう思わないかい?碇シンジ君」という台詞がある。当然、夏目漱石の逸話を意識しているのだろう。

 現在のプロ野球はBS、CSでの中継やネット配信により、試合後の「ヒロイン」も必ず最後まで流してくれる。シーズンは残り100試合前後。次は誰が、どんなコメントでファンを喜ばせてくれるだろうか。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2021年5月25日のニュース