セ 交流戦10年連続負け越し中も…今年は違う展開に!?今季本塁打数ほぼ互角、防御率では上

[ 2021年5月25日 05:30 ]

ヤクルトの村上
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 2年ぶりの交流戦開催。セ・リーグは2010年から10シーズン連続で負け越し中で、勝ち越したのは09年の1度だけ。12年ぶり2度目となる勝ち越しのチャンスはどこにあるのか。直前の戦いから探ってみた。(記録課・八田 朝尊)

 勝利数パ1098勝、セ966勝。勝ち越しはパ14度、セ1度。交流戦はパ優勢といわれて久しいが、今季はいつもと違う展開になるかもしれない。

 交流戦本塁打数でセはパに18年(93―118)、19年(94―108)と2年連続で10本以上の差をつけられた。交流戦前の本塁打もパより少なかったが、今季はセ222本、パ225本でほぼ互角。1試合平均はセ1・68本、パ1・61本とセが優勢。長打率もセ・379、パ・371、打率もセ・248、パ・242でセが打ち勝つ可能性は十分にある。

 セの本塁打王争いは21歳の村上(ヤ)が13本でトップ、24歳の岡本和(巨)が12本で続く。若い力が引っ張る中で存在感を見せているのがルーキーの佐藤輝(神)と牧(D)だ。佐藤輝はすでに10本塁打。7本が初対決の投手からで、うち4本は初打席で記録した。オープン戦では石川(ソ)、高橋(西)らパのエース級からも打っている。牧もチームトップの8本塁打で6本が初対決の投手から。初顔合わせのパ投手からアーチを量産することができるか。

 なお、交流戦の新人最多本塁打は10年長野(巨=現広島)の4本。打撃部門の新人タイトルホルダーは19年首位打者の中川(オ)だけで初の本塁打王誕生の期待が高まる。

 投手陣にも売り出し中のルーキーがいる。パにはリーグ最多6勝の早川(楽)がいるが、セも負けていない。広島の守護神・栗林は開幕から17試合連続無失点、奪三振率も14・77と群を抜く。中継ぎの大道、森浦も10試合以上登板している。阪神には3勝の伊藤将がいる。リーグ全体の防御率はセが3・52でパの3・68を上回っている。投打で若手が台頭している今季のセ・リーグ。「突ッパ」の鍵はヤングヒーローたちが握っていそうだ。

 ≪パはベテラン勢に注目≫パはベテラン勢に注目したい。8年ぶりに日本球界に復帰した田中将(楽)は交流戦通算21勝を挙げ、12年6月6日の阪神戦から5連勝中。あと1完封すればダルビッシュ(日=現パドレス)、則本昂(楽)に並ぶ交流戦最多タイの5完封となる。和田(ソ)、涌井(楽)は歴代最多勝利の更新が狙える。1位は杉内俊哉(巨)の26勝、和田は2位の25勝で涌井は3位の24勝と迫っている。

 打者では2000安打にあと50本と迫っている栗山(西)が交流戦5人目となる300安打にあと3本。達成すればパでは今江年晶(楽)以来2人目だ。松田(ソ)は交流戦通算46本塁打で史上4人目の50本塁打にあと4本だ。区切りの記録が懸かるスターたちが実績通りの活躍を見せればパは11シーズン連続の勝ち越しに近づくことになる。

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