広島・奨成 現状維持の年俸700万円でサイン 来季は捕手で1軍定着目指す!

[ 2020年12月3日 05:30 ]

契約更改を終えた中村奨
Photo By 代表撮影

 広島・中村奨成捕手(21)が2日、廿日市市内の大野寮で交渉し、現状維持の年俸700万円(金額は推定)で契約を更改した。高卒3年目の今季は初昇格を果たすも、代打のみの出場で4打席無安打。来季こそ捕手として勝負し、1軍定着をつかみ取る決意を示した。

 心残りが捕手としての思いを募らせた。中村奨は高卒3年目の今季に満を持して1軍デビューするも、出場は代打での4打席のみ。守備に就くことなく、ベンチに下がった。

 「(年俸を)下げられなかっただけ良かったと思う。捕手として試合に出たい。負けられない。素晴らしい先輩がいるので、なにくそと思ってしっかりとやっていきたいです」

 7月下旬の初昇格時はウエスタン・リーグトップの打率・339。1軍での役割は右の代打で、捕手としては期待されていなかった。「自信満々で1軍に上がって結果が出なかった。まだまだレベルの低い選手だと実感できた。いい経験にして来年巻き返していく。春から勝負できるようにしたい」。打力だけでなく、本職の守備でも勝負する決意だ。

 打撃面の準備も整ってきた。ウエスタン・リーグを打率・244、1本塁打の低調で終えた後、11月に宮崎で参加した「フェニックス・リーグ」では打率・278(36打数10安打)、2本塁打。持ち前のパンチ力を取り戻し、2軍首脳陣から高評価を得た。2年連続となる春季キャンプの1軍スタートに一歩近づいたと言える。

 「フェニックスでいいものをたくさん出せた。休みに入って空っぽになるようではいい選手になれない。体づくりとか12月もやることは多いので、しっかりとやりたいです」

 今オフは巨人・小林に合同自主トレを依頼した。広陵の10学年先輩で、いまも憧れの存在である。「決まってはいないですけど、(小林が)帰省するときに一緒にやれたら。あちらもケガで忙しいとは思うので…」。小林が右手人さし指の骨折からリハビリ中とあって不透明ながら、実現を心待ちにする。

 来季の目標は「1軍定着」と言い切った。会沢、坂倉らが控えるし烈な争いに「捕手・中村奨成」として挑む。(河合 洋介)

 ◆中村奨の歩み 

 ☆1年目(18年) 17年夏の甲子園で1大会最多の6本塁打を放ち、ドラフト1位で入団。2軍春季キャンプでは、1軍の観客数を超える「奨成フィーバー」が起きた。ウエスタン・リーグ打率・201。チーム5位の231打席と経験を積んだ。

 ☆2年目(19年) 2月に肋骨を疲労骨折し、実戦復帰した同リーグの阪神戦で頭部死球。アクシデントに泣き、2軍戦39試合の出場に終わった。2年連続の未昇格も打率・279、2本塁打と成長し、秋季キャンプで初1軍。「来年絶対に1軍に上がる」と決意した。

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2020年12月3日のニュース