ぜひ野球殿堂入りの候補に…作詞家・阿久悠さんが残した功績 再び脚光を浴びる日を

[ 2020年12月3日 09:00 ]

阿久悠さん=1995年撮影
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 1日、来年の野球殿堂入りの候補者が発表された。作曲家の古関裕而さんは、昨年に続いて特別表彰で候補入り。今年は同氏をモデルにした朝の連続テレビ小説「エール」がNHKで放送され、その名が全国に広く知られることになった。野球が好きで「六甲おろし」「闘魂こめて」や夏の甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」などを作曲。その業績は素晴らしいが、ならばもう一人、ぜひ候補入りしてほしい人がいる。昭和歌謡界の巨星である作詞家・阿久悠さんだ。

 言わずと知れた希代のヒットメーカー。そんな阿久悠さんも野球を心から愛し、さまざまな曲を生み出している。西武の球団歌「地平を駈ける獅子を見た」やダイエー(現ソフトバンク)の「ダイヤモンドの鷹」。テレビ朝日の甲子園中継などで流れる「君よ八月に熱くなれ」も阿久悠さんの作詞だ。

 さらには誰もが知っているピンクレディーの大ヒット曲「サウスポー」。曲中に登場する「背番号1のすごいやつが相手」はもちろん、世界のホームラン王で当時の国民的ヒーローだった巨人・王貞治だ。時代を切り取り、時代を作る。それが阿久悠さんだった。また、山本リンダの「狙いうち」は、甲子園などで応援団が演奏する定番曲となっているなど、なにかと野球と縁が深い。

 そんな野球との縁は作詞活動だけに収まらなかった。1979年に発表された「瀬戸内少年野球団」は、故郷の淡路島を舞台にした自身の自伝的長編小説。直木賞の候補となり、84年には映画化もされた。そして「甲子園の詩」。79~06年、スポーツニッポン紙上で夏の甲子園の熱戦を「詩」としてつづった。毎夏、1日1試合ずつ。様々な試合、選手を取り上げ、野球愛、人間愛にあふれる視点で描写した大河連載だった。書籍にもなっており、記者は今でも時折、目を通す。その瞬間にぎらぎらとした真夏の太陽が顔を出す。

 07年の死去から来年で14年。阿久悠さんが野球界に残した功績が、再び脚光を浴びる日が来ることを願ってやまない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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