「父子鷹」それぞれの最後の夏 日大藤沢・山本監督&晃聖 父の教えで「大きくなった」姿見せる

[ 2020年7月14日 05:30 ]

最後の夏を迎える日大藤沢の山本秀明監督(左)と長男の晃聖内野手(右)
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 昨夏に神奈川大会準優勝を果たした日大藤沢。決勝で敗れた東海大相模を倒し、一緒に甲子園に立つという山本秀明監督(50)と長男・晃聖内野手の夢はついえた。父は「仕方ない。いろんな意味で特別な夏になってしまった」と複雑そうに語り、晃聖は「割り切りは難しい。甲子園出場は果たせなかったけれど、3年生でまとまって良い形で終わりたい」と懸命に前を向いた。

 父の実兄は元中日の通算219勝左腕・山本昌氏(54)。晃聖は「小さい時、祖母の家で伯父さんが投げてくれて僕が打った記憶がある。父は球拾いをしてくれた」と懐かしむ。中学時代は控えで三塁コーチ。体格も1メートル64、50キロと小柄だった。「父を尊敬しているし、野球を教わりたかった。グラウンドでは敬語だし、他の選手よりは厳しくなるのも覚悟していた」と日大藤沢進学を決めた。

 父は「おやじとやりたくないと言われるよりは良かった」と苦笑し「どうしても監督目線になってしまい“絶対にレギュラーにはなれないぞ”と言った」。それでも晃聖は諦めなかった。今では1メートル72、71キロ。昨秋は背番号4をつけた。仲間との精いっぱいのプレーで成長した姿を見せる。(松井 いつき)

 ◆山本 晃聖(やまもと・こうせい)2002年(平14)9月8日生まれ、神奈川県出身の17歳。小1から野球を始める。中学時代は湘南ボーイズに所属。日大藤沢では1年秋からベンチ入り。1メートル72、71キロ。右投げ左打ち。

 ≪日大山形には荒木親子が在籍≫昨秋山形県大会準優勝の日大山形には荒木準也監督(48)の長男・拓己外野手が在籍。拓己は1年秋から公式戦に出場し、現チームでは主に3番で広角に打てる右の好打者だ。父は同校OBで東北福祉大―プリンスホテルでプレー。02年から母校を率いて春夏通算5度の甲子園出場に導いた。12日には独自大会の初戦・山形東戦に臨み、9―0で快勝した。

 【父子鷹アラカルト】

 ☆原貢、辰徳(東海大相模)父は三池工時代の65年夏に全国制覇。親子では74~76年夏と75年春の通算4度甲子園出場。74、75年夏はともに8強、75年センバツ準優勝。

 ☆松本吉啓、啓二朗、歩己(千葉経大付)父は監督として埼玉栄、千葉経大付を率いて通算7度甲子園出場。04年には長男・啓二朗(早大―横浜=現DeNA、現日本製鉄かずさマジック)と夏の甲子園に出場し、4強進出。次男・歩己(早大―元日本通運)とは06年夏の甲子園と07年センバツに出場。

 ☆荒井直樹、海斗(前橋育英)現職の父は、監督として昨夏までに通算7度甲子園出場。13年夏の甲子園では次男・海斗(明大―現三菱自動車岡崎)が主将、4番を務め、エース高橋光成(現西武)を擁して初の全国制覇を達成した。

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