エンゼルス大谷 サイン盗み「アンフェア」も…言い訳にしては「もったいない。抑えられる何かが」

[ 2020年2月21日 05:30 ]

練習後に笑顔で米メディアの取材に応じる大谷(撮影・柳原 直之)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(25)が19日(日本時間20日)、同じア・リーグ西地区のアストロズのサイン盗み問題について、自身の考えを語った。電子機器を使用した不正に批判的な意見を述べた一方、失点した18年の対戦結果の原因とはせず、成長の糧にするとした。いまだ収束を見せない米球界の大スキャンダルの中でも、大谷らしく前に進む。

 「一番の選手になりたい」とメジャー移籍を志し、真剣勝負を楽しむ男だからこそ、悔しかった。大谷がアストロズのサイン盗み問題について言及した。「絶対条件として、同じ条件下で癖を盗むとか、配球を読むとかは努力の成果」と前置きした上で、断じた。

 「カメラを使ってしまうと、その時点で同じ状況下の試合ではない。アンフェアになってしまう。誰が考えてもその通り」
 大リーグ機構の調査で、サイン盗みはア軍が世界一となった17年から18年の途中まで行われていたと認定された。大谷はデータ分析が進化する現状で「お互いのチームがカメラ1個どれでも使っていいのならば、それは使いよう」としつつも、あくまでルール上で許される範囲内でと強調。「外(外部)からの情報はダメ。カメラもダメだと言われているので、それを使うのは誰が考えても良くない」と批判した。

 ただ、大谷はサイン盗みすら、成長の材料とする。1年目の18年に投手としてア軍と2度、同じ疑惑で調査中のレッドソックスと1度、対戦して3試合で合計9回2/3を投げ、防御率8・38。それでも、痛打された言い訳にするつもりはない。

 「実戦の中で打たれたからといって、それ(サイン盗み)を疑うことはあまりない。それを考えたら自分の成長がない。何で打たれたのかを“サインを盗まれたから”で片付けたら個人的にもったいない。(電子機器を)使われていても抑えられる何かが必ずある」

 相手に球種を知られていても打者を牛耳る手段や球を追い求める――。ベーブ・ルース以来の本格二刀流と呼ばれて18年にア・リーグ新人王を獲得。今季は大リーグで新設された「二刀流選手」として復活を期す、パイオニアらしい決意表明だった。(テンピ・柳原 直之)

 【日本選手のサイン盗み関連発言】

 ☆カブスダルビッシュ 「二塁走者の伝達はグレーゾーン。だけどテクノロジーを使うのはダメ」と持論。また五輪を引き合いに「不正したら金メダルはもらえない。そこは不思議ですね」と17年ワールドシリーズ優勝の称号が剥奪されないことに疑問を呈した。

 ☆ヤンキース田中 「なくなってほしい。やる前から勝負になってないしフェアじゃない。ちゃんと勝負したい」と撲滅と真剣勝負を訴えた。違和感は感じていたと明かし「あんな凄い人たちが伝達されてたらいい成績を残す」と不公平さを指摘した。

 ☆ツインズ前田 投手としてサインが盗まれないよう努力していくと前置きし「なくなるのはうれしい。サインがばれなかったら打たれる確率、点を取られる確率は下がる。投手としてはうれしい」と訴えた。後日には「過去のこと。今後はなくなると思う」と話した。

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