【京都】洛南29歳女性監督、就任5年目の公式戦初勝利に笑顔「だいぶ長かった」

[ 2019年7月12日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 京都大会2回戦   洛南11―4園部(8回コールド) ( 2019年7月11日    太陽が丘 )

<洛南・園部>8回コールドで公式戦初勝利を挙げ笑顔を見せる洛南・山村真那監督(中央)
Photo By スポニチ

 第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は11日、大阪、京都など24大会224試合が行われた。京都では洛南を率いる女性の山村真那監督(29)が、就任5年目で初の公式戦勝利を記録した。

 “初体験”のLINEでナインを奮い立たせた。就任5年目の山村監督は前夜「この代で1勝をプレゼントしてほしい」と3年生5人全員に、それぞれ違った内容の文面で白星を“おねだり”。ゲームキャプテンの大野陽捕手(3年)も「業務連絡以外のLINEは初めて」と話すサプライズが奏功し、京都の女性監督として公式戦初勝利。「長かった。だいぶ長かった」と安どの笑みを浮かべた。

 「思いを文字にして渡してあげたら喜ぶかな」と、きめ細やかな心配りが実った。4打数4安打4打点の大暴れだった大野は「うれしかったです。本当に頼りがいのある監督」と感謝。7回に4点を奪われ追い上げられたが、過去の苦闘がウソのように5点を奪い返し一気に試合を決めた。

 「更衣室に入れないぐらいで、女性だからと考えたことはない」と山村監督は笑い飛ばすが、自身はソフトボールの経験しかなく、野球との動きの違いに最初は戸惑った。「ソフトボールには(走塁の)リードがない。ピッチャーのクイックもいまだによくわからない」と話すが、練習試合では相手校の監督を質問攻め。「生徒たちにも身ぶり手ぶりで教えてもらった」と貪欲に知識を吸収し、同じ目線でチームを作り上げてきた。

 09年夏に初参加した同校野球部は、同一大会で2勝以上の経験がない。「1勝でも2勝でも、勝てるなら何勝でもしたい」。確かな一歩を記した洛南から、まだまだ目が離せそうもない。
(北野 将市)

▼高校野球の女性監督 
 今年6月30日に沖縄初の女性監督として、石川の東佳奈子監督が沖縄高専を破って初戦突破。7月8日の2回戦は延長13回タイブレークの末に敗れた。西東京では東京電機大高を市川麻紀子監督が率いる。就任6年目の16年に夏の初勝利を挙げ、今年はきょう12日に初戦を迎える。神奈川では07年に吉田島農林の伊沢里江監督が県内初の女性監督としてさい配し、初戦突破。千葉では00年に小原満里子監督が多古を率いた。宮城では17年に阿部奈央監督が湧谷を指揮した。

▼洛南高等学校
 1962年、京都市南区東寺の境内に男子校として開校。2006年に男女共学化。全国屈指の進学校で、昨年は京大に64人の合格者を輩出したほかバスケットボール部、陸上部(駅伝)、体操部も全国レベル。主な卒業生に佐々木蔵之介(俳優)、比江島慎(バスケット・Bリーグ宇都宮)、桐生祥秀(陸上、男子100メートル前日本記録保持者)がいる。生徒数1329人(7月11日現在)。北川辰雄校長。

続きを表示

この記事のフォト

2019年7月12日のニュース