阪神・近本“お得意様”広島から「つなぐ意識」試合中メモ 野球ノートで情報整理

[ 2019年5月17日 05:30 ]

阪神・近本
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 好相性の鯉たたきへ気合十分だ。阪神・近本が広島戦へ1番打者として出塁にこだわっていく姿勢を強調した。

 「僕が出塁したら、点に絡む確率が高くなっていると思うので、打つだけではなくて、四球でも失策でも、そうですし、つなぐ意識でやっていきます」

 広島には過去6試合で15打数6安打、3打点。打率・400。球団別ではセ・リーグ5球団で最高の数字を残してきた。さらに武器の「足」でも4盗塁はDeNA戦に並んで最多。同率2位対決での期待値はデータからも高まるばかりだ。

 50メートル5秒8の俊足リードオフマンが出塁すれば、相手にとって脅威になることは間違いない。「1番・中堅」は先月20日の巨人戦から22試合連続。矢野監督も「そんなに打順は変わってないでしょ。現状、これがいいかなと思う」と打線が固まってきたことに手応えをにじませた。

 役割を果たすための努力も怠らない。情報収集として気づいたこと、感じたことを試合中にベンチ内でノートに記し、確認作業に活用中だ。

 「相手の配球だったり、コースだったり、球種のズレがないかとか、そういうところも意識してやっています」

 大阪ガス時代に練習内容や自分の状態を把握するために始めた覚書。プロでは対象を対戦相手に広げた。試合後にまとめていた開幕当初から、最近は打席後に記憶が鮮明なうちに書き残すことが習慣になった。

 矢野監督の勧めで今季から若手を中心に同様の取り組みがチーム内で浸透し、記す内容はさまざま。近本の場合は走者として察知した各投手のクイック投法の特徴なども含まれるとみられる。初対戦の多い新人だけに蓄積する情報は貴重。ノートが増えれば、成長度も上がる。(長谷川 凡記)

 ☆プロ野球選手とメモ 試合中にメモを書き留めていた選手としては10~15年に阪神でプレーしたマートンが有名。「小さな頃からノートを取る習慣があった」と投手の初球の入り方や配球の傾向などに加えて、審判のストライクゾーンの特徴も記し、来日1年目の200安打達成につながった。巨人・丸も広島時代からベンチでメモを取り、「メモは先発よりも中継ぎの方が大事。データが限られてくるので」と説明している。

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2019年5月17日のニュース