阪神 福留、先制打含む3安打4打点 逆襲態勢入った「続けていきたい」

[ 2018年7月1日 08:02 ]

セ・リーグ   阪神15―7ヤクルト ( 2018年6月30日    神宮 )

<ヤ・神>5回1死満塁、福留は左越えに2点適時二塁打を放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 阪神の福留孝介外野手(41)が6月30日のヤクルト戦で、先制打を含む3安打4打点の大活躍。15安打15得点の大勝劇に貢献した。前日の同戦は審判の微妙な判定にも泣かされ、1点差の惜敗。そのうっぷんを晴らすかのような今季2度目の先発野手全員安打で、金本阪神が再び勢いづいた。

 どことなく引きずっていた後味の悪さを、スカッと振り払った。初回無死一、三塁。福留がハフの真っすぐを鮮やかに中前へはじき返す。この一打をきっかけに、前夜は悔しい敗戦を喫したヤクルトに一挙6点の強烈な先制パンチを浴びせた。

 「初回のチャンスで何とかできたというのは良かったし、そのあとみんながつながってくれた。きょうできたことをまたあしたも続けていきたい」

 流れを変えたことに価値があった。3時間53分のシーソーゲームとなった前夜は不可解な判定もあって9―10の惜敗。試合後は金本監督もナインも怒りを押し殺すように帰りのバスへ急いだ。痛恨の黒星だっただけに、翌日の初回の猛攻は大きかった。福留の先制打に背中を押されるように糸井、俊介の適時打、梅野に犠飛が出ての6得点。阪神が初回に6点以上を挙げたのは、14年7月1日のヤクルト戦での7点以来4年ぶりとなった。

 その裏、岩貞が青木への危険球で1死も取れずに退場するアクシデント。そこで緊急登板した才木が力投した。主将としてベンチで声をかけ「1個ずつアウトを取ればいいからな」と19歳右腕を勇気づけた。2回にも再び中前適時打。5回1死満塁の第4打席では、もう少しでグランドスラムというフェンス直撃の左越え2点二塁打を放った。ここで代走を送られたが、3本の適時打で4打点を稼ぎ、勝利を決定づけた。

 開幕からの蓄積疲労が出る時期で、6月は月間打率・260と苦しんだ。開催中のサッカーW杯ロシア大会も「見る元気ないわ」と苦笑い。それでも、暑さが厳しくなるにつれて再び状態を上げてくるのがベテランの凄みだ。何でもよく食べ、よく飲むのが信条ながら、自宅では夫人のサポートで胃腸に優しい和食が中心。「夏場は冷たい物はあまり食べない。ビールぐらいやな」と話す顔が頼もしい。

 5回の陽川の中前打で、開幕戦以来今季2度目の先発野手全員安打を達成した。貧打にあえいできたのがウソのように、ここ5試合で47得点の大爆発。主将を先頭に、猛虎打線が逆襲態勢に入った。(山添 晴治)

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2018年7月1日のニュース