“ゴロ王”有原8回零封 アウトゴロゴロ13個、ハム初勝利立役者に

[ 2016年3月28日 05:55 ]

<ロ・日>8回無失点で今季初勝利を挙げた日本ハム・有原

パ・リーグ 日本ハム1―0ロッテ

(3月27日 QVCマリン)
 三塁ベンチ前。勝利を見届けた日本ハム・有原は栗山監督とガッチリ握手を交わした。「ナイスピッチング。航平、ありがとう」。8回6安打無失点。開幕2連敗で迎えた一戦で、昨季の新人王がチーム今季初勝利の立役者となった。

 「一つずつアウトを積み重ねていった結果。野手の方に感謝したい」と振り返るように、序盤からゴロアウトを積み重ねた。4回1死一、二塁では井上を150キロ直球で詰まらせ二ゴロ併殺。7回にはこの日2安打されていた先頭・デスパイネに初球から4球続けてカットボールを投じた。好調な助っ人を幻惑すると、最後は151キロ直球で遊ゴロに仕留めた。

 昨季の有原は8勝を挙げたが、大量失点が多く防御率4・79と安定感を欠いた。変化球の精度が課題だった。この日はわずか1奪三振。最速153キロの直球に加え、得意のカットボールがさえわたり、ロッテ打線の打ち損じを誘った。

 寡黙でぼくとつな性格の愛されキャラ。今年の米アリゾナキャンプでは大谷、鍵谷らが「ARIHARA KINGDOM」と書かれたオリジナルTシャツをサプライズで着用し、有原を驚かせたこともあった。「有原はいろいろなことが凄いから“~王”とか“~キング”というあだ名がよくつく」と鍵谷。ウエートトレーニング場で、よくエアロバイクをこぐことから「バイク王」と呼ばれることもあった。試合前に開幕投手の大谷から「頑張ってください」と声を掛けられ気合十分で、積み重ねたゴロアウトは13。この日の快投は、まさに「ゴロキング」だった。

 栗山監督は「こういう投球をイメージしていた。よく頑張ってくれた」と称賛。有原も「これからもチームの勝利に貢献したい」と力を込めた。谷元、宮西ら中継ぎの要が不在の緊急事態。虎の子の1点を守り、守護神・増井につなげる理想的な投球だった。(柳原 直之)

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