楽天・辛島省エネ1勝 前日5時間半死闘…お疲れナイン救った

[ 2015年5月23日 05:30 ]

<西・楽>8回1安打1失点で今季初勝利の辛島

パ・リーグ 楽天6-1西武

(5月22日 西武D)
 またとないタイミングでの快投だった。楽天・辛島が今季初登板初先発で8回1安打1失点。2時間52分の「省エネ試合」で勝利をもたらし、ナインの疲労を解消した。

 「全体的にどのボールも良かった。今季初登板で緊張すると思ったけど落ち着いて投げられた」

 スコアボードに「H」のランプがともったのは、2回に中村にソロを浴びた時だけ。直球の最速は139キロも打者の手元で伸び、スライダーとカーブを交えて7三振を奪った。3月上旬に背中を痛めた影響で開幕は2軍。4月中旬には右手親指付近の石灰化していた部分を取り除く手術も受けた。遅ればせながらの今季初勝利も「焦りはなかったです」と笑った。

 前日の日本ハム戦(コボスタ宮城)はリーグ歴代4位の5時間37分、延長12回の末に敗戦。午後4時開始で試合後に開催予定だった「花火大会」も中止となった。試合後に東京に移動する予定も変更となり、この日は移動試合。球場入りするナインの表情には一様に疲労の色がにじんでいた。

 辛島はこの日に備え、前日夕方に仙台駅から新幹線に乗って東京に移動。タクシーで午後9時頃にチーム宿舎に到着したが、まだ試合は終わっていなかった。「チームのために長いイニングを投げたかった」と「男気」を見せた左腕について大久保監督も「強力打線を相手に見事」と褒めた。

 昨季8勝(13敗)で、今春キャンプの声出しでは「2桁勝てなかったら野球をやめる」とまで宣言。現在は「あれは撤回します…」と言うが、今季に懸ける思いは強い。ヤンキース・田中の一番弟子でもある技巧派左腕。出遅れた分を取り返す時間は、まだまだある。

 ▼楽天・嶋(バッテリーを組んだ辛島について)いい投手。構えたところに投げてくれた。

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