内海 意地の8回1失点 川口コーチ「悔しさをぶつけてくれた」

[ 2014年4月2日 05:30 ]

<D・巨>8回1失点と力投した巨人先発・内海

セ・リーグ 巨人2-1DeNA

(4月1日 横浜)
 エースとしての意地と悔しさを込めた116球だった。勝ち星を逃した巨人・内海に笑顔こそなかったが、充実感を漂わせた。

 「調子は良かった。冷静にいい緊張感を持続して投げられた。(チームが)勝ってよかった」

 気迫を前面に出した。象徴的だったのは、4回2死。ブランコに2ボール2ストライクから内角直球を3球続けた。昨季、打率と打点でリーグ2冠に輝いた4番を攻めに攻めた。3球目、ブランコも思わず腰を引いた。見逃し三振を奪った。

 最速は144キロを計測。相手打線に直球の残像を残せば、変化球も生きる。6回2死三塁のピンチでは山崎をチェンジアップでニゴロ。7回に1点を奪われて同点とされたが、6回までわずか1安打に抑え込んだ。川口投手総合コーチも「完璧。開幕投手を(菅野に)譲った悔しさをぶつけてくれた」と目を細めた。

 3月16日のソフトバンクとのオープン戦(大分)に登板後、この日の先発を告げられた。内海のオープン戦防御率6・88に対し、菅野は同2・37だった。「成績を見れば(菅野)智之がやって当然」としながら、「悔しさはある」とも言った。どちらも本心。ただ投手陣の柱として、悔しさは悟られないように心の奥底にしまい込んだ。

 開幕戦当日。アーリーワークでは、珍しく菅野と並んで外野をジョギング。「全然、緊張してへんな」と声を掛け、後輩を気遣った。大役を務めた菅野も「正直(内海さんのことを)一番、気にしていた。でもそういうものを全く感じさせなかったです」と振り返るほど、内海は普段通りの振る舞いに徹していた。

 8回を5安打1失点。「1―0で勝てた試合。詰めが甘い」と振り返った。帽子のひさしの裏には今季も「柱」と書き込んだ。文字通り、今季も投手陣の中心には内海がいる。

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2014年4月2日のニュース