石川 カネヤン超え開幕4勝も「足つった自分が情けない」

[ 2012年3月31日 06:00 ]

<巨・ヤ>さすがエース!!巨人打線を封じるヤクルト・石川

セ・リーグ ヤクルト4-0巨人

(3月30日 東京D)
 ヤクルト・石川が投じた97球目。坂本の鋭いライナーが宮本のグラブをはじき、左前に達した。電光掲示板は「H」のマーク。史上初の開幕戦ノーヒットノーランにあと2アウトだった。「アドレナリンは出まくりでした。9回は狙ってないわけではない。でも足をつった自分が情けない」。32歳の左腕は苦笑いで振り返った。

  実は8回、先頭の高橋由に3球目を投げた時に左ふくらはぎをつるアクシデントに見舞われていた。快挙を逃すと、続くボウカーにも右前打を許して降板。小川監督は完封目前での交代に「良い投球をしていたので、判断が難しかった」と話したが、エースの投球には違いなかった。

 初回、先頭の坂本を自らの悪送球で生かしたが、後続を3人で断つ。「調子うんぬんじゃなく、気持ちで攻められた」と、左打者にはシンカー、右打者には腕の位置をやや下げてスライダー、カーブを低めに集めた。2回2死から小笠原を四球で歩かせて以降は、初安打を許すまで打者20人を完璧に封じ込んだ。

 ヤクルトは09年に東京ドームで1勝7敗1分けと苦戦。そのため、球団関係者が自らスコップを持ち、神宮外苑のブルペンの1カ所を硬土に替え、傾斜を高くしてドーム仕様にしたことがある。対巨人への執着。そのブルペンで左腕は投球術を育んだ。内海に対してのリベンジの思いもあった。10年3月26日の東京ドーム開幕戦で投げ合い、6回4失点で降板した。開幕戦は09年から3連敗していた。「開幕の連敗は開幕でしか取り返せないと言ってきた。それが現実となって、チームも勝って良かった」。99球の熱投には石川のプライドが詰まっていた。

 5年連続7度目の大役で、開幕戦4勝は400勝投手の金田正一らを抜いて球団単独トップとなった。「金田さんは偉大すぎて会ったこともない。でも、追い越したいと思っていました」。何よりの喜びはスタンドで観戦した家族に最高の結果を示したこと。「息子に“頑張ってきてよ”って言われましたしね」。パパは格好よく決めた。1メートル67の小さなエースは家庭でもグラウンドでもやはり偉大だった。

 ▼ヤクルト・荒木投手コーチ(石川の内角攻めについて)見ている者に勇気を与えてくれた。これで村中も行きやすくなったと思う。相手に意識させられたのは大きい。

 ▼ヤクルト・相川 2、3点は覚悟してたけど、これ以上ない投球をしてくれた。(ノーヒットノーランは)僕も7回ぐらいから意識してました。

 ≪野茂以来の快投≫ヤクルトは石川―バーネットのリレーで巨人に完封勝ち。これまで開幕戦で1失点は13度あったが、完封勝利は球団史上初めてだ。石川は8回1/3を2安打無失点で勝利投手。9回1死まで無安打を続けたが、開幕投手が8回以上を無安打で切り抜けたのは94年野茂(近鉄=8回まで無安打)以来だ。これで開幕戦通算4勝目。開幕戦通算最多勝利は鈴木啓(近鉄)の9勝だが、ヤクルトでは金田、松岡、石井一の3勝を抜く球団新記録になった。

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