村中 幻!?の新球「クニマス・チェンジアップ」でプロ初完封

[ 2011年7月30日 06:00 ]

<ヤ・巨>完封勝利を挙げ川本(右)とグータッチをする村中

セ・リーグ ヤクルト2-0巨人

(7月29日 福島)
  自らの殻を破った。ヤクルト・村中恭兵投手(23)が29日、巨人戦で9回を散発3安打の快投。プロ6年目、先発登板63試合目にして自身初完投を完封で飾った。右脇腹肉離れで離脱していたが、これで復帰してから2試合はともに巨人相手に連勝。巨人キラーの左腕の熱投で、チームはリーグ一番乗りで40勝に到達した。

 普段は寡黙な23歳が感情を爆発させた。9回2死。阿部を142キロの直球で三邪飛に仕留めると、村中は握り締めた左拳を突き上げた。巨人打線を3安打に抑え、プロ6年目での初完投を完封で飾った。同僚の青木ですら「(今まで)完封くらいしていそう」と驚く意外な初物だった。

 「僅差だったので(完投は)ないと思っていた。8回にベンチへ帰ったら、“そのまま行くぞ”と言われて。一人一人しっかり投げる意識が9回につながった。一つでも完投できて良かった」

 球威のある直球と落差の大きいフォーク。それが村中の武器だ。福島あづま球場の中堅122メートル、両翼100メートルという広さを生かし、先発に右打者7人を並べた巨人に対し、4回まで12個のアウトのうち9個がフライアウトと力で押し込んだ。フォークの落ちはいまひとつだったが、新球「クニマス・チェンジアップ」を多投した。昨季までめったに投げないことから幻の魚「クニマス」になぞらえた新球。硬軟織り交ぜた109球を、捕手・川本は「右打者への外の直球、チェンジアップが良かった」と振り返った。

 昨季は巨人から3勝、今季も右脇腹肉離れからの復帰登板となった15日巨人戦(東京ドーム)で今季初勝利を挙げた。05年高校生ドラフト1巡目で入団した際、当時監督の古田敦也氏(野球評論家)は「入ってきた時のカズ(石井一=現西武)と似ている」と評した。ヤクルト時代に石井一が巨人キラーとして名をはせたように、村中も同じ左腕の新Gキラーとして確実に成長。2年前に同じ福島で巨人相手に敗戦投手となり、「そのリベンジもあった」と言う。

 チームはリーグ40勝一番乗り。小川監督は村中の完投について「あれだけの投球をしてくれたし、今後のことを考えれば巨人戦で完封すれば自信になると思った」と後半戦を見据えた起用だったことを明かした。後半戦のキーマンが期待通りに活躍する今、ヤクルトの独走はさらに加速する。

 ≪最近2年間で巨人から5勝≫村中(ヤ)がプロ初完投勝利を完封で飾った。巨人戦は初登板した08年から2年間は0勝6敗、防御率5.32とさっぱりだったが、10、11年通算で5勝1敗、防御率2.67とキラーぶりを発揮。ヤクルトの投手で最近2年間で5勝は石川の4勝を上回り最も多い。また昨年は巨人戦で被安打35本のうち長打は6本塁打を含む12本。それが今季は7本のうち、この日坂本の二塁打だけ。本塁打は1本も許していない。

 ▼ヤクルト・荒木チーフ兼投手コーチ 村中は2回に乱れたが、3回以降は何も不安がなかった。若い投手では一番力がある。期待しています。

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