アニキ逆転V弾!33球場制覇だ

[ 2010年4月1日 06:00 ]

<広・神>3回、金本は逆転となる右越え2ランホームランを放つ

 【阪神6-4広島 】そぼ降る春雨の故郷で、アニキの笑顔が咲いた。阪神開幕5戦目、20打席目にして飛び出した今季初アーチだった。

 「内角からのスライダーをうまく巻きつけて打てた。開幕からなかなか調子が上がらなかったが、勝ちにつながる打点というか、ヒットが出てよかった」

 初回に左翼フェンス直撃の先制適時二塁打。そして1点を追う3回1死一塁。広島先発・斉藤のスライダーを引きつけて芯でつかまえると、最後は右腕1本で右翼席中段まで運んだ。マツダスタジアムでの本塁打は自身初で、これで自らが本塁打を記録した球場数は33となり、現役選手最多記録を更新。同時に、通算443本塁打となり、長嶋茂雄(巨人軍終身名誉監督)の持つ444本塁打にあと1本と迫った。

 開幕4試合で打率・125。金本自身はひた隠しにしてきたが、出遅れた要因に実は右肩痛があった。3月中旬、守備練習の際にあるチームメートと激突。その衝撃で右肩を痛め、翌日からオープン戦では2試合続けてDH出場を強いられた。主砲を負傷させたことで落ち込む同僚に、金本は「大丈夫や。気にするな」と言った。一方で、ハリ治療などを続けた。本人の口から「痛い」という言葉は最後まで出なかった。

 手首を折っても打ってきた。ひざを割っても走ってきた。そんな鉄人だからこそ言う。「痛いなら痛いなりのやり方ができる。プレーできる方法を探せばいい」。フルスイングでなくても、右腕1本でスタンドに運んだ一発はそのポリシーを実践したものだった。金本はこの日、午前10時すぎにオフの自主トレの拠点、広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」を来訪。右肩への負担を考慮し、下半身限定の筋力トレーニングに励んだのだった。

 城島が新加入しても、7年連続で任された開幕4番。開幕前、真弓監督から伝えられたのは「今年も頼むぞ」のひと言。何も言う必要もなければ、聞く必要もなかった。指揮官は試合後「やってくれました」と主砲を称え、さらに「悪いなりの打ち方できるんやから」と変わらぬ信頼を口にした。

 最後に金本は再び言った。「開幕した限りは、タイミングが合わない、調子が悪いでは済まされない」。その言葉には4番としての責任感がにじみ出ていた。

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