阪神・佐藤輝の執念 平凡な二ゴロでも全力疾走! 併殺崩れで貴重な追加点に「一生懸命走りました」

[ 2023年5月24日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神6―3ヤクルト ( 2023年5月23日    神宮 )

<神・ヤ>3回、佐藤輝は二ゴロで全力疾走して併殺を免れる(撮影・北條 貴史)
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 豪快な打撃だけがウリではない。阪神・佐藤輝が足で魅せた。

 「(盗塁が)決まって良かった」

 2回だ。0―0で迎えた1死走者なしから、石川のスライダーを捉え、10試合連続出塁となる中前打で出塁すると続く森下のフルカウントからスタートを切って二盗に成功。前回、6回途中まで無失点と押さえ込まれた石川にジャブを打ち込んで揺さぶった。今季5個目の盗塁はリードオフマンの近本を抜き、リーグでも同僚の中野、中日・岡林に並ぶトップタイに浮上。ただ“足スト”はこれだけでは終わらない。

 「(ボテボテのゴロだったので)一生懸命走りました」

 地味な一打が貴重な追加点を呼び込んだ。味方が3回に2点を先制し、なおも1死満塁で迎えた2打席目。石川に外角への変化球で追い込まれながらも、2ボール2ストライクからの5球目のスライダーに食らいついた。打球は平凡な二ゴロでもヘルメットを飛ばしながら一塁へ全力疾走。併殺崩れの間に1点をもぎ取った。結果的に6回に1点差に詰め寄られる展開になったことを考えれば、凡事徹底が生み出した貴重な1点が大きかった。これで5月の月間打点はリーグトップを快走する17へ伸ばした。

 この日は、持ち前の派手さはなくてもチームの勝利に貢献した。試合後には「打線もいいし、ピッチャーも抑えてくれるので、(チームの状態は)いい感じだと思います」と充実感をにじませた背番号8。今後も油断もスキもなく、突き進む。(石崎 祥平)

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