西武・山川 強制性交容疑で書類送検 「厳重処分」ではなく「相当処分」意見付き 球団は謝罪「誠に遺憾」

[ 2023年5月24日 05:00 ]

室内練習場で練習する山川
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 西武の山川穂高内野手(31)が都内のホテルで知人女性に性的暴行したとして、警視庁麻布署は23日、強制性交容疑で書類送検した。署によると起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」の意見を付けた。本人は容疑を否認している。

 獅子の主砲で3月のWBC優勝メンバー。球界に衝撃が広がった。ただ、西武球団は「書類送検された事実は確認しており、誠に遺憾であります。ファンの皆さまにご心配をおかけしており、誠に申し訳ございません」などと紙面でコメントするにとどめ、幹部らが会見を開くなど対応することはなかった。この日、ロッテ戦が雨天中止となったZOZOマリンでは松井監督が「その話はもちろん聞いているし、でも僕の方からお答えすることはできないというところ」とだけ話した。渡辺久信GMは厳しい表情で無言を貫いた。

 報告を受けた日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「司法の判断をもって球団が(対応を)判断するので、それを待つことになる」と話した。

 書類送検容疑は昨年11月、港区のホテルで20代女性に性的な暴行をした疑い。女性が被害届を出し、署が任意で事情聴取するなど捜査していた。騒動は「文春オンライン」が11日に報道。球団は12日に「総合的に判断してコンディション調整」という理由だけ添えて出場選手登録から外した。その後はファーム練習に参加し、この日も球団施設で守備練習やフリー打撃で汗を流した。本人が取材に応じることはなかった。

 球界の不祥事としては17年に山口俊(元巨人)が傷害などの疑いで書類送検された(後に不起訴処分)。球団は同年のシーズン終了までの出場停止と罰金、減俸の処分を科した事例がある。球団からは丁寧な説明がないままで、ファンからの注目度は高い。今後の対応が注目される。

 ▽強制性交等罪 刑法第177条で13歳以上に対し、暴行や脅迫を用いて性交などをした者に、5年以上の有期懲役に処すると定められている。被害者の抵抗を著しく困難にして性交等をした場合に成立する。性犯罪の一つで同条は17年の刑法改正前は「強姦(ごうかん)罪」で、改正後に現在の「強制性交等罪」になった。性交だけでなく、肛門性交、口腔(こうくう)性交まで範囲が拡大された。同条などを巡っては、刑法改正案が国会で審議されており、案では「強制性交等罪」の名称を「不同意性交罪」に改めるなどとしている。

 ≪元巨人・山口俊は出場停止&1億円以上の厳罰≫▽17年の巨人・山口俊の書類送検 7月11日未明に東京都目黒区内の病院で男性警備員と口論となり、胸で体を押して全治2週間の打撲を負わせたほか、病院内の木製ドアを蹴って破壊。山口は酒席で右手甲を負傷し、酒に酔った状態で病院を訪れていた。球団への報告を怠ったため、1週間後の同18日午前に発覚。その1カ月後の8月18日に傷害と器物損壊の疑いで書類送検された。容疑を認め謝罪会見を開き、被害者との示談も同日までに成立。球団からは同シーズン中の出場停止と、罰金と減俸分合わせて1億円以上の厳罰が科された。同23日に不起訴処分となった。

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