阪神・村上 ファン投票御礼4勝目 ツバメに雪辱!今季3度目“村上対決”またピシャリ

[ 2023年5月24日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神6―3ヤクルト ( 2023年5月23日    神宮 )

<ヤ・神(>岩崎(左奥)からウイニングボールを受け取る村上(撮影・北條 貴史)
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 自然と拳を握っていた。3番・山田に2ランを浴び、3―2と1点差に迫られた6回2死。阪神・村上は昨季3冠王のヤクルト・村上を、外角チェンジアップで空振り三振に斬った。「1点差に詰め寄られて、何とか粘れたというのがあったので、そういう気持ちが(ガッツポーズに)」。9日に7回1失点ながら今季初黒星を喫した相手に雪辱する4勝目だ。

 今季6度目の先発で、早くもヤクルトとは3度目の対戦。「まさかこんなに(頻繁に)当たるとは」と驚きつつ、準備も忘れない。テーマは「工夫」。3、4月度月間MVPの右腕は「いろいろ試しながら。これからいろいろデータも入ってくると思うので」と、2回に110キロでオスナを空振り三振に斬るなど、スローカーブをアクセントに使った。6回を4安打2失点。100球と多めだったが「早めに使っておくと頭に残る」と的を絞らせなかった。

 前回16日の中日戦は5回4失点で「フォームのちょっとしたタイミングのズレがあった」と修正して臨んだ。走者がいなくてもクイックモーションを交えるなどの工夫も交えつつ、力で押すことも忘れず。直球は149キロを計測。NPB統計分析サイト『翼』によれば先発時の球速ではプロ最速だ。今季43イニングとして規定投球回に載せ、防御率1・47で再びリーグトップに立った。

 本家の「村神様」を投手陣全体で33打数4安打(打率・121)に抑え、セ5球団で唯一の被本塁打ゼロ。チームで最も対戦が多い背番号41は9打数1安打(・111)に封じている。4月に続き、5月の月間勝ち越しを決めたのも村上の登板試合となった。

 「ただただチームのために。自分のことではなくて、チームのためにやっていきたい」

 各球団のノミネート選手に含まれていないにもかかわらず、球宴ファン投票2位につける3年目右腕。その献身ぶりが、今季の阪神の躍進を象徴している。(大林 幹雄)

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