阪神・ノイジー5打点 好調でも甘い言葉は掛けなかった岡田監督 「全然打たへんかったやん、甲子園で」

[ 2023年5月24日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6―3ヤクルト ( 2023年5月23日    神宮 )

<ヤ・神>7回、ノイジーは中越えに3点本塁打を放つ。投手エスピナル(撮影・北條 貴史)
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 阪神は23日、ヤクルト戦に6―3で快勝し、今季5度目の3連勝で貯金を今季最多の12とした。5月は17試合目にして早くも月間勝ち越し決定。快進撃の立役者は、計5打点のシェルドン・ノイジー外野手(28)だ。3回に先制2点打を放つと、1点差に迫られた7回にはダメ押しの4号3ラン。今季、先制試合の勝率がリーグトップの・833を誇る「先制のトラ」の勢いそのままに、セ・パ交流戦までのラスト6連戦を、最高の形でスタートした。

 ここぞの一撃がほしい好機で、必ずと言っていいほど仕事をする。それがノイジーという男だ。3―0の6回先発・村上が山田に2ランを浴び、一気に1点差となった。虎の頭上に漂う不穏な空気を一掃したのが、背番号7だ。直後の7回。3番手・エスピナルが近本と中野に連続四球を与えて築いた無死一、二塁で打席が巡ってきた。自身もいきなり3ボールとされても、四球を選びにいくという消極的な選択肢は、頭にない。

 「2点取られて、点差が迫ったところで何とか点を取りたい場面。いいボールが来たので、それを打ち損じせずに打ててよかった」

 1ストライクを挟んだ5球目、外角高めに甘く浮いた直球を砕き、左中間席へ突き刺した。勝負あり――。結果的に3点差での勝利だったことが、N砲の一発が持つ価値の高さを、より引き上げる。

 機先を制したのも、ノイジーのバットだ。3回、先頭・木浪の二塁打から形成した1死満塁で、石川から中前へ2点打。「何とか打てる球をしっかり狙って打った」。助っ人が1試合5打点をマークするのは21年6月のサンズ以来。舶来砲の打棒に導かれ、先制試合は20勝4敗1分けとなり、勝率は・833。まさに先手必勝の法則を地で行く猛虎は、17試合目にして早くも5月の月間勝ち越しを決めた。直近11試合を10勝1敗。2差で迫る2位・DeNAは眼中にないとばかりに、ひたすら勝ちを重ねる。

 「全然打たへんかったやん、甲子園で」

 ノイジーの好調ぶりを問われた岡田監督は、あっさりと報道陣をいなした。まだまだこんなもんやないよ――。その実力を誰よりも信じ、誰よりも頼りにしているからこそ、甘い言葉は掛けない。

 「この雨の中、最後まで応援してくれた。声援が力になった」

 試合前時点で対戦打率・194だったヤクルト戦、球場別打率・083だった神宮決戦の“W鬼門”をあっさり打破した。これでもう、怖いものはない。終盤に降り出した雨は、ヒーローインタビューの最中も止まなかった。大歓声とともに、快勝を祝うかのように降り注ぐ雨を全身に浴びながら、ノイジーは視線を明日へと向けた。(八木 勇磨)

 ○…ノイジー(神)が3回の先制2点打と7回の4号3ランで、来日後最多のゲーム5打点。阪神外国人選手では、21年6月18日の巨人戦で、サンズが適時二塁打と満塁弾で5打点して以来2年ぶり。新外国人選手では20年7月28日のヤクルト戦で、サンズとボーアのアベック満塁弾を含む5打点競演以来3年ぶり。

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