野村謙二郎氏 広島・大瀬良はベース板を広く使うべき ピンチでの配球をもう一度考えてみてほしい 

[ 2023年5月24日 07:00 ]

セ・リーグ   広島1―3中日 ( 2023年5月23日    マツダ )

<広・中>7回途中、降板する大瀬良(左)(撮影・奥 調)
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 【野村謙二郎 視点】大瀬良の得意球はカットボール、スライダー。7回2死からの3連打は、その変化球が外に甘く浮いて打たれたもの。ここぞという時、打者は相手投手の得意球をより意識する。あの場面で意識付けのために内角球を使っていたら―。そう思えてならない。

 実際に、中盤まではそうした配球で攻めていた。彼の今季のテーマは強い真っすぐ。その直球で内角を突き、とりわけ右打者に意識させていた。勇気を持って投球内容を変え、今後のきっかけになるゲームに見えた。

 だからこそ、もったいない。打者には投球の残像が残る。大瀬良がここ一番で投げる球はカット、スライダーと分かって踏み込んだとしても、内懐を突いていれば、体が少し開いて力のない打球になったりするものだ。得意球が甘くなったというだけの話ではない。

 コーナーいっぱいを突こうとすると球数が増える。いい球が増える分、失投も増える。それをぼかすためにはベース板を広く使うこと。ピンチの場面での配球を、いま一度考えてみてもらいたい。(本紙評論家)

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