「村神様」の弟・慶太が1年春から抜てきされた理由 日大・片岡監督「木のバットでも…」

[ 2023年5月24日 12:46 ]

東都大学野球春季リーグ戦   日大7―2駒大 ( 2023年5月24日    上尾 )

リーグ2打席目で初安打初打点をマークした村上慶太(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 日大は7―2で駒大に勝利し、対戦成績を1勝とした。ヤクルト・村上の弟で、1年生内野手の慶太がリーグ戦初安打をマークした。

 1メートル90、100キロと兄に負けない体格の左の長距離砲は6―1の8回2死一、三塁から代打でリーグ戦2試合目の出場。右前適時打を放ち、初安打、初打点をマークした。一塁上で大きくガッツポーズし、代走を送られて交代した。

 「監督が自分を代打に送ってくれたましたので、何とか期待に応えようという思いでした。(打ったボールは)真っすぐの真ん中高め。東都リーグの公式戦の初ヒットだったのでうれしい気持ちと、これからどんどん頑張ってやろうという気持ちでした」

 19日の中大戦では代打で初出場も「緊張した」と空振り三振に倒れていた。片岡昭吾監督の起用に応え、見事に2打席目で結果を残した。

 「(19日は)ボール自体は見えていたんですけど、ちょっと言い訳になるかもしれないんですけど、緊張していて何か全部のボールに手を出してしまった。今日は気持ちはアツく、頭の中は冷静にと思って打ちました」

 同じ失敗は繰り返さない。それが強打者の証である。2ストライクに追い込まれてから、「微修正」でアジャストした。

 「ストレートに遅れていた。その時、監督さんから“短く持て”とアドバイスをいただいので、そこで短く持ちました。チャンスだったので何とか打点がほしかったので短く持ちました。指2本分、短く持ちました」

 直球をバットの先で捉え、やや詰まりながらも打球を右翼手の前に落とした。一塁上では両手で大きくガッツポースした。

 「先っぽだったんですけど、落ちてくれるかなと思っていました。先輩たちもみんな、自分を歓迎してくれた。ものすごくうれしい気持ちでした。(兄には)特に伝えることはないかなと。あっちから来たら…。自分からいうことではないかなと」

 神宮を本拠地とする東都リーグだが、この日は試合の順延もあった関係で上尾での開催。次は兄が活躍する神宮での初安打を狙う。

 「神宮でも打ちたいですけど、どこででも打ちたい」

 片岡監督は「木のバットでも遠くに飛ばしますし、追い込まれてからの対応力もある。何かが起きる期待感がある」と1年春からリーグ戦メンバーに抜てきした理由を語った。

 チームは1部残留を目指すリーグ戦の真っ最中だが、「もちろん勝つ気でいるのと、とにかく野球を楽しんで、声を出して元気よくということを意識しています」と萎縮することなく自分を出している。

 「次の試合も初球からどんどん振っていって期待に応えられるように頑張っていきたい」

 早くも結果を出した大器が頼もしく言った。

◇村上 慶太(むらかみ・けいた)2004年(平16)11月11日生まれ、熊本市出身の18歳。託麻南小4年から軟式野球を始める。中学時代は熊本東リトルシニアに在籍。九州学院では1年秋からベンチ入りし、3年夏に甲子園出場。50メートル走6秒24。遠投96メートル。憧れの選手はエンゼルス・大谷。1メートル90、100キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月24日のニュース