偉大な3冠王カブレラも…現役最終年は・183、0本塁打の不振、昨季のプホルスのような巻き返しなるか?

[ 2023年5月24日 12:05 ]

タイガース・カブレラ(AP)
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 タイガースのミゲル・カブレラ(40)が23日(日本時間24日)のロイヤルズ戦に「7番・DH」でスタメン出場。第1打席はスライダーに空振り三振、第2打席は2死満塁のチャンスだったが、初球のスライダーを打って三ゴロ。第3打席にカウント2-2から内角低めのスライダーをとらえて中前打。16日のパイレーツ戦以来、1週間ぶりの安打となった。第4打席は左飛だった。

 これで今季は24試合に出場、83打数15安打で打率・183、0本塁打、4打点となっている。カブレラは通算507本塁打、3103安打。MVPに2度輝き、12年には1967年以降、メジャーで誰もできなかった3冠王を達成した。今季が現役最後と発表しているが、殿堂入り間違いない偉大な打者だ。

 打席ごとに、偉大な数字が出てくる。例えばこの日の相手ロイヤルズは、通算262本の安打を打った相手。第1打席、あと一本出ればロッド・カルーの持つ対ロイヤルズ戦の最多安打記録263本に並ぶとアナウンス。結局第3打席の安打で並んだ。第2打席は満塁のチャンスだったが、カブレラは満塁には滅法強く、通算打率は・379、6度も満塁本塁打をかっ飛ばしている。

 しかしながらこの打席は三ゴロ、今季は満塁で3打数0安打1三振だ。1年前、同じくこれが最終年と発表していたアルバート・プホルスは7月4日の時点で打率・189、4本塁打、17打点と寂しい数字だった。ところが後半打ちまくり、打率・270、24本塁打、68打点と有終の美を飾った。カブレラもここまで調子が上がらないが、プホルスのように盛り返して欲しい所だ。

 つらい立場なのはAJ・ヒンチ監督。偉大な打者に有終の美を飾ってもらいたいが、試合にも勝たねばならない。「ミギーのことはいつも考えている。でも年齢を重ね、全盛期の頃の打者とは全く違う。1シリーズで1度しか試合に出ないから、プレー機会も減って、打席でタイミングを取るのが難しくなっている」と言う。5月は9試合しか起用していない。タイガースは功労者ゆえ、いくら打てなくても放出する気はさらさらない。

 ちなみに今年の年俸は3200万ドル(約44億3000万円)。彼の契約ではもし今季もMVP投票でトップ10に入る活躍ができれば、24年の契約が年俸3000万ドルで保証される。しかしながらここまで0本塁打、3二塁打で、長打率・217のカブレラからは、そんな姿は全く想像できない。

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