DeNA・平良7回4安打零封 “原点の地”東京D10年目初勝利「ここで勝つことが目標だった」

[ 2023年5月24日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA6-3巨人 ( 2023年5月23日    東京D )

<巨・D>3勝目を挙げた平良(撮影・光山 貴大)
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 DeNA・平良拳太郎投手(27)が23日、思い出の地・東京ドームでの初勝利を挙げた。古巣本拠地で7回4安打無失点と巨人打線を封じ込めた。巨人時代の16年4月にプロ初登板を飾り、21年3月には右肘違和感を訴えじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)につながった因縁深いマウンド。プロ10年目にして同球場での初勝利となり、チームを4連勝に導いた。

 オレンジ色の巨人ファンからも拍手が起こった。平良は思い入れたっぷりの東京ドームに声を響かせた。

 「10年前に(巨人に)入団した時、ここで勝つことが目標だったので。チームは違うけれど、勝ててうれしい」。14年にプロ入りし、17年にFA移籍した山口の人的補償でDeNAへ移り苦節10年。いろんな思いをボールに込め、東京ドームのマウンドで煩悩の数の108球を投げた。

 味方打線が1点先制した初回。1死から丸のライナーが右肩の下付近を直撃した。治療のためベンチへ。再び戻ってきた平良は、低めへの制球がさえ渡った。治療後に「ブルペンで投げたら今日一番いい球だった。(そこから)いい力加減で投げられた」。余計な力みが消え、直球の威力が増し、シンカーもスライダーも切れた。特別なマウンドからも力をもらい、古巣相手に右肘手術後最長となる7回を4安打無失点。三浦監督も「(打球が当たってから)かえって力が抜け、先発の役割をしっかり果たしてくれた。ナイスピッチング」と絶賛した。

 思えば、16年のプロ初登板も、右肘を痛めた21年3月28日の巨人戦も、この東京ドームだった。「初登板の時はライトゴロ、肘を壊した時のことも覚えてます」。その21年の巨人戦は5回まで完全投球。6回に右肘に異常を訴えて降板し、6月に手術した。1年以上のリハビリを経て昨年復活。その苦労があったから、この勝利もある。「肘を壊した時は途中で代わったけど、今日はこの(アクシデントの)後も投げられた。逆にツイてるなと」。投げるだけではない。初登板時の打席ではライトゴロだったが、7回に左前へ東京ドーム初安打も放った。

 東京ドーム初勝利は、今季3勝目。「ここで勝つことが巨人への恩返しにもなる」。チームは引き分けを挟んで4連勝。平良の特別な1勝が、チームに再び勢いをつけた。(秋村 誠人)

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