【U18W杯】日本救った「山田の18球」 ツインズ・前田健太も絶賛の無死満塁斬り

[ 2022年9月18日 11:14 ]

第30回WBSC U18ベースボールワールドカップ スーパーラウンド   日本3―2米国(3回表途中サスペンデッド) ( 2022年9月17日    エド・スミス・スタジアム )

<アメリカ・日本>ツインズ・前田健太(右)からサイン入りTシャツを受け取った高校日本代表主将の山田陽翔(代表撮影)
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 高校日本代表はアメリカとのスーパーラウンド最終戦に臨んだ。3―2と日本1点リードの3回表攻撃中に雨が強まり、翌日の午前9時(日本時間18日22時)再開のサスペンデッドゲームとなった。

 このままでは終われない。纏う空気が前の2戦とは違っていた。1―2と1点劣勢の2回無死満塁。主将の山田陽翔(3年=近江)は先発でも抑えでもない、中継ぎのマウンドに今大会初登板。気迫の18球で一人の走者も還さず無失点で切り抜け、3回の逆転劇を呼んだ。

 「(先発の)森本(哲星・3年=市船橋)が頑張って投げているのをブルペンから見ていて(登板が)あるかなと思っていた。(馬淵史郎)監督から“準備できているな”と告げられて、いざマウンドに走っていくときに思っていたことは、今まであまりチームに貢献できていなかったので、何とかこの場面で抑えて、日本の勝利に少しでも貢献できるように頑張りたいなと思っていました」

 先頭のカップには8球粘られたが、143キロ直球で力ない右飛に。続くクラークは2球目のツーシームで二ゴロに仕留め、三塁走者を本塁で封殺。最後のコジールにも手こずったが、8球目のツーシームで中飛に打ち取り、雄叫びを上げながらこん身のガッツポーズ。「やっと自分も乗れて、チームにいい勢いが出て、次の回の攻撃につながったので、本当に期待に応えられてうれしかった。(先頭打者への初球、ワンバウンドのツーシームを)渡部(海・3年=智弁和歌山)が難なく止めてくれたことで、安心できる捕手だなと。リードもすごく良かった」と初タッグの女房役をたたえた。

 1次ラウンドのパナマ戦では2点リードの最終7回に抑えで登板も1回2失点で追いつかれた。スーパーラウンド初戦の韓国戦では先発も1回2/3を6失点。「自分だけが乗れないと言いますか、モヤモヤする、悔しい思いが強かった」と打ち明ける。練習でのフォームチェックで修正したのは、足を上げる時に三塁を向く時間の長さ。少し肩の開きを抑えて、時間をつくることを大事に思っていた。少しの意識でだいぶ変わった」と好感触を取り戻していた。指揮官も「やっぱりキャプテンの自覚というか、ここはやってやろうというピッチングでしたよ。前とは全然違っていた」と称賛する快投だった。

 この日はツインズ・前田健太が観戦。ピンチを切り抜けた背番号1について「ノーアウト満塁で抑えられるので、すごくタフじゃないと抑えられないと思うし、実力だけじゃなくて精神的な強さも兼ね備えていると思うので、すごくいいピッチャーだと思いますし、彼がどういう道に進むのかわからないですけど、上を目指してやっていける選手だと思います」と賛辞を贈った。

 その言葉を伝え聞いた山田は「だってマエケンさんですよね!?めっちゃうれしいです!明日も頑張ります!」と大興奮。18日の天気次第では3位決定戦を行わず、アメリカ戦が最後の試合になる可能性もある。「任せてもらったイニングをしっかり抑えられるように、今日このような形でしっかり抑えることができたので、これで満足して次打たれてしまえば何の意味もないので、しっかり仕事を果たせるように頑張りたい」と半日後の再開に備えた。

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