オリ・由伸 圧巻ギータ斬りで締めた ノーノー以来の完封で史上初2年連続“投手5冠”見えた

[ 2022年9月18日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス2―0ソフトバンク ( 2022年9月17日    京セラD )

<オ・ソ>9回2死、柳田を三振に打ち取り雄叫びを上げる山本(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 最後の最後で、もう一段階ギアを上げられるポテンシャルが絶対エースの証明だ。9回2死、柳田に対するカウント1―2からの4球目。オリックス・山本は計113球目にして最速157キロまで球速を上げた。わずかに外角に外れた後、5球目は今度は同じコースから鋭く落下するフォークで空振り三振に斬り、「よっしゃー!」と吠えた。

 「今季は京セラで完封できていなかったので、(9回の歓声で)元気が出ました。途中から感覚も良くなり、9回までいいボールを投げられたので良かった。絶対勝つしかないと思っていたので気合十分で上がりました」

 初回先頭で四球を与える立ち上がり。「ちょっとしたズレだったので落ち着いて投げました」。2死三塁で柳田を内角156キロ直球で空振り三振に抑えて切り抜けた。球威抜群の直球にフォーク、カーブやスライダーなどで緩急も駆使。散発4安打で、2回以降は二塁も踏ませなかった。

 ノーヒットノーランを達成した6月18日の西武戦以来、今季2度目の完封で5連勝へ伸ばし、両リーグトップの14勝目。防御率1・71、勝率・737、188奪三振も全てトップで、史上初の2年連続および2度目の先発投手の主要タイトル4部門独占は濃厚だ。2完封も加えた“投手5冠”も視界に捉えた。

 直接対決3連戦の初戦という重要局面で、望みをつなぐ快投劇。2年連続のソフトバンク戦勝ち越しに導き、2ゲーム差に詰めた。中嶋監督も「燃えない人はいないでしょ。若月と2人でよく考えて。先週対戦したばかりでしたし、変えるところは変える、攻めるところは攻める。強弱をつけながら緩急をつけながら、しっかり投げたと思います」と称えた。連勝街道を走る背番号18が逆転連覇への道を示した。(湯澤 涼)

 《13年ぶり2年連続勝ち越し》オリックスはソフトバンク戦を2試合残して13勝10敗とし、シーズン勝ち越しを決めた。昨季も13勝11敗1分けで、2年連続の勝ち越しは08、09年以来13年ぶり。これで現在引き分け数がともに2の両チームが最終勝率で並んだ場合、規定により直接対決で勝ち越したオリックスが上位になる。佳境を迎える優勝争いでオリックスにアドバンテージができた。

 《70勝に到達》オリックスは昨季と同じ70勝に到達。2年連続到達は95~97年(82勝、74勝、71勝)の3年連続以来。

 《初の2度目の5冠なるか》山本(オ)がパ最多タイとなる今季2度目の完封で14勝目。防御率1.71、勝率.737、188奪三振も合わせた5部門でパのトップに立った。前記の投手5冠は昨年の山本自身まで過去8人だけ。1人で2度達成した例はなく、今季も5部門制覇なら史上初となる。

 《80年ぶり快挙視野》山本は昨季の防御率1.39。2年連続で防御率1点台なら11~13年田中将(楽)の3年連続以来9年ぶり。チームでは1リーグ時代の40~42年森弘太郎の3年連続と、41、42年の笠松実以来80年ぶり3人目の快挙になる。

続きを表示

2022年9月18日のニュース