阪神V完全消滅も…矢野監督CS進出奪い取る「守りにいって獲れるもんじゃない。より積極的に」

[ 2022年9月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―3巨人 ( 2022年9月17日    東京D )

<巨・神>東京ドームでの最後の試合を終え、あいさつへ向かう矢野監督(左)(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・矢野燿大監督(53)の悲願は成就しなかった。今年最後の「伝統の一戦」だった17日の巨人戦に競り負け、リーグ優勝の可能性が完全消滅。今季限りでの退任が決まっている中、優勝をつかむことなく就任4年間を終えることになった。4位・広島と5位・巨人に0・5ゲーム差まで迫られ、3位ながら自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出もなくなった。

 一つの夢が終わった。18年オフに監督就任後、毎年「絶対目標」に掲げてきたリーグ優勝。すでに絶望的だったとはいえ、宿敵・巨人に引導を渡される形で矢野監督の4年間の悲願が霧散した。

 「それはもう、厳しいのは十分、分かっているしね。もちろん優勝というのは狙って、そこを目指してやってきた。でも、まだ目標はある。しっかりやっていきます」

 どうしても手にしたかった栄冠だった。就任1年目、19年の春季キャンプでの球団懇親会ではフロントやマスコミの前で「皆さんのおかげで2019年、優勝できました。ありがとうございます!」と“予祝”。優勝インタビューを予行演習したこともあった。後ろ向きなことは考えず、信じた道を突き進んできた4年間。目指し続けた頂点に手は届かなかった。

 開幕9連敗のどん底から、前半戦「5割ターン」を決めるまで巻き返した。8月上旬は2位をキープしたが、大山、近本ら主力にコロナ禍が直撃して再失速。ヤクルトを脅かすことはできなかった。

 「まだシーズン終わってないから。(コロナで主力離脱など)難しいのは、どこも難しい。理由にはならないかなと思います」

 監督として最後の「伝統の一戦」は佐藤輝の待望の一発で先手を取りながら、中盤に逆転され、7回の反撃も1点止まり。終わってみれば5安打2得点と、やはり課題の得点力不足に泣いた。デーゲームでDeNAに大勝した4位・広島、勝率差で5位・巨人とは0・5差に肉薄。巨人は阪神より3試合多く残しているため、自力3位でのCS進出が、この時点でなくなった。

 「守りにいって(CS進出を)獲れるもんじゃない。奪い取るしかないと思う。消極的な野球は俺らの野球じゃない。より積極的に…というところは必要やと思う。粘りとかも、もっともっと必要になってくる」

 その言葉通り「まだ目標はある」。CSを勝ち抜き、下克上での日本シリーズ進出、そして日本一へ。監督生活の集大成となる残り7試合、全てを出し尽くす。(山添 晴治)

 《DeNAの23年に次ぐブランク》阪神のリーグ優勝の可能性が消滅。これは阪神が残り7試合に全勝しても勝率.514(72勝68敗3分け)で、ヤクルトが残り13試合を全敗した場合の勝率.521(73勝67敗3分け)を上回れなくなったため。阪神は前回優勝の05年以降17年連続のV逸。これは86~02年の17年に並び、65~84年の20年に次ぐチーム2番目の長さになった。12球団で継続中のブランク最長は、今季優勝の可能性を残すDeNAの23年(99年~昨季まで)。阪神はこれに次ぐ2番目の長さ。また、この敗戦で自力でのCS進出の可能性が今季初消滅した。

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2022年9月18日のニュース