「かすみう」満点!“因縁の2人”今では私生活でも名コンビに 卓球日本女子4強に貢献

[ 2021年8月3日 05:30 ]

東京五輪第11日 卓球女子団体準々決勝   日本3ー0台湾 ( 2021年8月2日    幕張メッセ )

女子団体準々決勝で台湾を破って4強入りし、カメラに向かってポーズをとる(左から)平野、石川、伊藤
Photo By 共同

 日本女子は団体の準々決勝で台湾に3―0で勝利し、3大会連続のメダルに王手をかけた。1戦目のダブルスで、石川佳純(28=全農)平野美宇(21=日本生命)の「かすみう」がストレート勝ちし、勢いをつけた。3日に行われる準決勝で、香港と対戦する。

 「かすみう」に隙はなかった。台湾ペアを24分で片付けた。23分で決着をつけた初戦のハンガリー戦に続くストレート勝ちだ。

 「練習をたくさんしてきた。声を出して、勇気も出して、出足からできた」

 石川の自己評価は満点に近かった。第1ゲームの10―8。平野がバックハンドで崩した後、石川のフォアハンドがさく裂して先取した。第2ゲーム6―2は逆に石川がフォアで押し、直後に平野がバックでスコアした。平野は「石川さんに声を掛けてもらって自信を持ってできた」とサーブでもよく崩した。

 陳思羽・鄭先知組には過去に1敗。女子の馬場美香監督が「ダブルスが重要。互いに知り尽くしている」と警戒した難敵を一蹴したことで勢いが出た。

 7歳差の2人は、少なからず因縁がある。20年1月の世界ランキング上位で決まったシングルス代表は伊藤が早々に当確ランプをともし、残り1枠を「かすみう」で最後の最後まで争った。事実上勝負が決まった19年12月の国際大会は決勝で激突し、石川が直接対決を制した。違う意味の涙を互いに流した。

 残酷なコントラストを描いた両者が今、手を取り合う。近くて遠い存在が、コンビを組み「私生活でも話をするようになった」(平野)と距離が縮まった。大会前には、12年ロンドン五輪銀メダルメンバーの平野早矢香さんも交えて3人で食事に出掛けた。初出場の平野は経験談を聞いてイメージを高めた。

 団体は5戦中1戦がダブルスで、ここを取ることが勝利への近道。3戦目だった前回までと違い、今大会は1戦目に組み込まれたことで重要度が増した。2人なら心配ない。

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2021年8月3日のニュース