三浦 男子3000障害で日本勢初の7位入賞 ラスト1周で順位2つ上げる

[ 2021年8月3日 05:30 ]

東京五輪第11日 陸上 ( 2021年8月2日    国立競技場 )

<東京五輪・陸上>男子3000メートル障害決勝、レース後に日の丸を広げる三浦龍司(撮影・小海途 良幹)
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 男子3000メートル障害決勝は日本記録保持者の三浦龍司(19=順大)が8分16秒90で同種目日本人最高の7位で入賞した。

 19歳の若武者が約半世紀、止まっていた時計の針を動かした。これまでは72年ミュンヘン大会の小山隆治の9位が最高。「7位で入賞できたのはうれしいし、大きな成果だと思う」と胸を張った。

 直前まで降った雨で滑りやすいトラックコンディションの中、三浦は序盤から積極的な走りを見せた。一時は先頭で周回。残り5周でエチオピア勢がトップに出てからも食らいつき、ラスト1周9番手から順位を2つ上げた。レース後には日の丸を持って自らの入賞を祝い「(国旗は)決勝なのでちょっとやってみようかなという出来心。一つの節目、目標はクリアした。しっかり走り切った」と誇らしげに語った。

 洛南高時代から争ってきたケニア人のキプラガット(19=愛三工業)とのライバル関係や、アフリカ勢も上回る実力からファンの間では「ミウラガット」という愛称もつけられた。この日もアフリカ勢を相手に互角以上のレースを展開して「パリ五輪では7位以上、納得できる走りを3年間で突き詰めたい」とアフリカ勢超えも誓った。

 短距離やマラソンに比べると注目度が低い3000メートル障害にスポットライトを当てた。「魅せる走りで認知してもらいたい」と宣言通り、7位入賞でアピール。「サンショー(3000メートル障害)が個性を出せる唯一の種目だと思っている。(活躍で)サンショーに対する視線は集まったのかなと思う」と笑顔を見せた。

 《地元恩師、太鼓判「あと2回五輪出られる」》新型コロナの影響で実家に帰省していた三浦の練習を支えたのが島根・浜田ジュニア陸上教室で小中学生時代に指導した上ケ迫定夫さん(66)だった。自粛期間中の単独練習には限界があるため、教え子のために一肌脱いだ。「車で山道の20キロ走を手伝った。個人合宿みたいで凄く良かった」と振り返る。約1カ月間の帰省では中学生とともにスピード練習にも取り組んだ。「ひょろっとしていたのがガッチリした」と成長を感じた。小学生の頃から3000メートル障害の適性を感じていた教え子が歴史を動かした。「世界的選手の中で三浦が一番、ハードリングがうまい。あと2回は五輪に出られる」と恩師は太鼓判を押した。

 【三浦 龍司(みうら・りゅうじ)】

 ☆生まれとサイズ 2002年(平14)2月11日生まれ、島根県浜田市出身の19歳。1メートル67、55キロ。

 ☆競技歴 小学1年から陸上クラブで競技を始めた。京都・洛南高では19年全国高校総体3000メートル障害2位。

 ☆箱根駅伝 20年予選会では大迫傑のハーフマラソンU20最高記録を6秒更新。デビュー戦の21年大会は1区で区間10位だった。

 ☆日本新 今年に入って3000メートル障害の日本新記録を3試合連続で塗り替えた。

 ☆スポーツ歴 小学校時代から陸上のほかフィールドホッケーやソフトボールレクリエーションで楽しんだ。

 ☆趣味 日本海に面した浜田市は良質の釣り場が多く、実家に帰省したときは釣りを楽しむ。

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