16歳美波80年ぶり入賞も“未練”リスク回避、大技封印し号泣

[ 2016年8月20日 05:30 ]

女子高飛び込み決勝 板橋の5回目の連続合成写真

リオデジャネイロ五輪女子高飛び込み決勝

 女子高飛び込み決勝が18日に行われ、板橋美波(16=JSS宝塚)が356・60点で8位に入賞した。飛び込み女子での日本勢の入賞は、96年アトランタ五輪3メートル板飛び込み6位の元渕幸以来20年ぶり。高飛び込みでは36年ベルリン五輪で4位の大沢礼子、6位の香野夫佐子以来80年ぶりとなった。

 女子では世界初の大技「109C(前宙返り4回半抱え型)」を武器とするが、この日は安全策を取って回避。8位入賞に安どの笑みを浮かべた16歳は、馬淵コーチの胸に飛び込むと大粒の涙を流した。「この点数を取れたので(109C)飛ばなくても良かったかな、という気持ちはあります」と話した。

 柔道家の両親のDNAを受け継ぎ、小学校から指導する馬淵コーチが「放っておいても筋肉がついた」と言うほど発達した筋肉が1メートル50の体を覆う。ズボンのサイズをウエストに合わせると太腿が入らないほどの下半身は、同コーチが「空中でどんどん加速していく」という原動力になっている。その特長を生かしたのが109Cだった。

 15年世界選手権予選では、その大技を決めて86・95点をマーク。だが直後の準決勝は失敗し55・50点だった。爆発力を秘める一方、リスクも伴う。結果的に決勝で109Cに成功したとしても、3位とは30点以上の差があって表彰台に届かなかった。「東京では決めたい」。板橋は今度こそ自分だけの大技を決めて、メダルを手にする。

 ◆板橋 美波(いたはし・みなみ)2000年(平12)1月28日、兵庫県生まれの16歳。宝塚市立御殿山中から甲子園学院高2年在学中。小1の時にJSS宝塚で水泳を始め、小3で飛び込みに転向。14年の日本選手権の板飛び込みで史上最年少となる14歳で優勝。同年の仁川アジア大会で板飛び込みで7位、高飛び込みで5位入賞。1メートル50、40キロ。

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