荒井、二転三転の末銅メダル「予想外の展開だが、メダルが確定してよかった」

[ 2016年8月20日 03:53 ]

銅メダル確定の知らせに飛び上がって喜ぶ荒井

リオデジャネイロ五輪陸上競技

(8月19日 ポンタル)
 リオデジャネイロ五輪陸上の男子50キロ競歩で荒井広宙(28=自衛隊)が3時間41分24秒で銅メダルを獲得した。3着でゴールしながら一度は他選手を妨害したとして失格に。しかし、日本陸連が国際陸連に抗議した結果、失格の判定が覆り、日本競歩初のメダル獲得となった。

 荒井は女子20キロに出場する岡田の応援中に日本陸連幹部から“吉報”を伝えられ両手を突き上げて喜んだ。「予想外の展開だが、メダルが確定してよかった。どちらでも受け入れられる準備はしていた」とコメントした。

 午後3時14分に日本陸連の担当者のもとに国際陸連から「荒井選手に非はなかった」とメールが届き、麻場一徳監督に上訴が通ったことが伝えられた。

 レース終盤、残り2キロを切って荒井は一度追い抜かれた後、エバン・ダンフィー(カナダ)を抜き返す際に接触。よろめいた隙に差を広げて3着でゴールした。ゴール後に4位となったダンフィー側が抗議し、1時間以上協議の末に失格の裁定が下された。

 それに対し、日本側は「不可抗力の接触。カナダ選手の肘が先に当たっている」として荒井が失格とされたことを不服として再抗議。国際陸連の理事5人が協議して判断するとしていた。

◆荒井 広宙(あらい・ひろおき)1988年(昭63)5月18日、長野県出身の27歳。中野実2年で競歩を始め、福井工大、石川陸協、北陸亀の井ホテルを経て自衛隊。50キロ競歩で世界選手権に3度出場し、11年10位、13年11位、15年4位。3時間40分20秒の自己ベストは日本歴代3位。名前には父・康行さんの「スケールの大きい人間になってほしい」という思いが込められている。1メートル80、62キロ。

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