川井梨紗子、地獄坂から頂点!レスリング快進撃に“虎の穴”も歓喜

[ 2016年8月20日 12:10 ]

うさぎ跳びで坂道を登る吉田沙保里ら

 女子レスリングが五輪前に合宿をしていた“虎の穴”新潟県十日町市も連日の金メダルで盛り上がった。

 新潟県十日町市の山中にある日本オリンピック委員会(JOC)の強化指定施設「桜花レスリング道場」には地元レスリングクラブの子供ら約80人が集まり、レスリング女子代表の試合を見守った。53キロ級で4連覇を狙った吉田沙保里(33)の銀メダルに「あ~」と肩を落とし、63キロ級川井梨紗子(21)の金メダルに「やったー」と喜びの声を上げた。日の丸が振られ、赤と青のスティックバルーンを叩く音が響く中「おめでとう」と祝福の声が飛んだ。

 公開練習を除けば、普段出入りできるのは国内のトップ選手や将来を期待される若手、指導者だけ。この日招かれた小中学生は、山道を5キロほど下った場所にある「桜花レスリングクラブ」練習生。保護者代表の桑原秀彦さん(48)は「神様のような存在の選手が練習する場所で、子供たちは大きな刺激を受けたと思う」と感謝した。

 道場は市街地から約15キロの山中にあり、多くのメダリストを生んだ日本レスリング界の“虎の穴”。以前は携帯電話もつながらない陸の孤島だった。道場前の長い坂道は「金メダル坂」と呼ばれ“地獄の合宿”の象徴。今回も五輪前の7月中旬に女子代表チームが合宿し、猛特訓を積んだ。川井がツイッターに「何回走ってもここの坂は慣れない」「どんなメニューやるにしても結局坂だからもう辛(つら)すぎて」と書き込み、過酷な練習ぶりをうかがわせた。

 全日本女子レスリング十日町後援会の市村正史副会長(64)によると「斜度30度、長さ100メートルくらい。2人をおぶったり、両脇に1人ずつ抱えたりして走る」という。

 女子代表は今大会で金メダル4、銀メダル1を獲得。同後援会によると、9月9日から再び同所で合宿に入る。期間中に市役所前で報告会を予定している。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月20日のニュース