日大 23年ぶり悲願ならず…残り3秒意地のTDも

[ 2013年12月16日 05:30 ]

<日大・関学大>第4Q、ボールを競り合い勢い余ってひっくり返る関学大・WR木下(左)と日大・LB佐藤礼

 アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝「パナソニック杯第68回甲子園ボウル」は15日、甲子園球場で行われ、23年ぶりの優勝を狙った東日本代表の日大(関東B)は西日本代表の関学大(関西)に9―23で敗れた。関学大は3年連続26度目の優勝で日本選手権のライスボウル(来年1月3日・東京ドーム)で社会人王者と対戦。年間最優秀選手に贈られるミルズ杯は関学大主将のDL池永健、甲子園ボウル最優秀選手は2TDパスを決めた関学大のQB斎藤、敢闘選手は日大のRB高口がそれぞれ選ばれた。

 せめてもの意地だった。20点差を付けられて試合終了まで残り3秒、ゴールラインまで残り4ヤード。日大のQB高橋遼が屈強な関学大ディフェンスの隙を突いて、WR松尾にパスを通した。ようやく奪ったタッチダウン。一矢報いたその直後、試合終了を告げられた。

 「自分たちのフットボールをしようとしたのですが…。全然、リズムに乗れなかったです」

 1年生QBはうつろな目で完敗を認めた。前半はパスで距離を稼ぐどころか、レシーバーの腕に収まることすら少なかった。試合を通じてもパス成功は33回中14回と、失敗が半分を超えた。毎日3~4時間のビデオ研究を欠かさない戦略家が、逆に丸裸にされて持ち味を消された。

 「自分で局面を打開できる選手になりたい」

 京都市に生まれ、大産大付で高校時代を過ごした“関西人”は、再び甲子園に戻ってくることを誓った。攻撃の芽を封じられても高橋遼を代えなかった内田監督も「将来を考えてのこと」と、飛躍に期待を込める。1年生は高橋遼だけでなく、LB趙、RB竹内も存在感を見せた。90年を最後に日本一から遠ざかる不死鳥の復活は、ルーキーたちにかかっている。

 ▼日大内田監督 4年生が下級生を引っ張り理想に近いチームになったが、結果は結果なのでしょうがない。気持ちが切れることもなくよくやった。いいチームができたと思う。
 ▼日大RB高口 今季の中ではベストに近い形でプレーができたが、タッチダウンという結果が出ずに悔しい。関学大は今までで一番強い相手だった。

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