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【大阪工業大学】小物体を“水陸両用”で運搬する技術開発

[ 2017年11月3日 05:30 ]

 大阪工業大学(大阪市旭区)工学部応用化学科の藤井秀司教授、旭川医科大学化学教室の眞山博幸准教授、ドイツのマックスプランク高分子研究所のグループが、液体を固体粒子で覆った液滴(リキッドマーブル)を離れた場所から水面と固体面の“水陸両用”で動かす技術を世界で初めて開発した。

 同グループはこれまでに、リキッドマーブルに光を当てて水面上を運搬し、内部物質を目的の場所で放出させる技術を開発(2016年4月発表)。今回はこの技術を進化させて、水面から固体面に変わっても動かし続けられ、目的の場所で外部刺激(酸、アルカリ、磁力など)を加えて内部物質を放出することに成功した。

 水面上ではレーザー光などの光をリキッドマーブルの黒色粒子に当てることで、周囲の水温に違いを生み出し表面張力の原理でリキッドマーブルを動かす。これに対し、固体面上では球体であるリキッドマーブルを風力で回転させることで移動させる。実験では隣接する水面と固体面を自由に行き来させることができた。

 本技術は、遠隔操作によって狙った場所でリキッドマーブル内部の機能性物質(薬剤など)を放出させて化学反応を起こすなど、化学、電子機器や医療の分野でさまざまな応用が期待できる。

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