×

大学Information

【文京学院大】新田ゼミ生がエスカレーター安全利用の効果検証

[ 2017年12月26日 05:30 ]

プロジェクトを実施した文京学院大・新田ゼミのメンバー(左から3人目がリーダーの佐久間さん)
Photo By スポニチ

 文京学院大でマーケティングを研究する経営学部・新田都志子ゼミナールが、エスカレーターの安全利用を啓発するための「思わずつかまりたくなる」手すりデザインを考案し、都内で安全効果検証実験を行った。

 「マーケティングで社会の課題を解決する」をテーマに、同ゼミでマーケティングを研究する同大学経営学部3年の佐久間百花さんをリーダーとする6人のメンバーは今年度のグループ研究として、身近なエスカレーターに着目、安全利用できる社会を目指し活動を行った。「近年エスカレーター事故で救急搬送される人が増加傾向にあることがわかりました。安全利用に関するキャンペーンやポスターが設置されていますが、ステップを歩行する、片側を空ける、手すりにつかまらないなどの行動が常態化されています」と現状に驚きを隠せなかった。

 そこで、課題解決のために「思わず手すりにつかまりたくなるような新しい啓発策」として、視覚に訴えるデザインを施し、より効果的に利用者に届く啓発方法を考案。実施にあたって、エスカレーター施行を手掛ける(株)アサイマーキングシステム社がプロジェクトに全面協力することになった。同大学の学生たちが80を超す「思わずつかまりたくなる」手すりのデザインを考案し、228社の企業や商業施設にアプローチを働きかけを行ったところ、6社から前向きな回答を得た。

 その第1弾としてJR目黒駅の商業施設「アトレ目黒1」のエスカレーターで採用が決定し、10月12〜31日に利用者アンケートおよび観察調査を実施。今回のデザインは親しみのある動物のイラストや、「オノマトペ」という心理効果を採用し「ぎゅっ」という文字を施した。利用者からは「オレンジ、紫、黄色の配色は明るい印象を与え目立つ」「動物のイラストは女性や子供の興味をひく」「ぎゅっという文字は年齢を問わず、認識しやすく、意味がわかりやすい」「フィルムを施したことで清潔感があり、きれいだという印象を受けた」と、アンケート結果に今後の課題解決法が見えてきた。

 今回の活動で佐久間さんたちは「今回多くの利用者の方が快くアンケートに回答して下さり、467人の回答をいただきました。課題はまだありますが、今後は年齢・国籍問わず受け入れられるデザインを考案し、作成することが必要だと感じました。今後は手すりだけでなく、エスカレーターの階段部分のステップやライザーなど、施工場所の拡大や広報活動を通じて、より多くの利用者に活動を発信していきたい」と、残り5社への設置の実現に向けて活動を続けていく。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る