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【成蹊大学】マスコットキャラ「ピーチくん」、なぜ桃から…

[ 2017年7月31日 05:30 ]

 成蹊大学(東京都武蔵野市)のマスコットキャラクター「ピーチくん」は、成蹊の名の由来となっている中国のことわざ「桃李不言 下自成蹊(※)」をモチーフとした桃の精。受験生の応援を目的としたものや動物をモチーフとしたものとは一味違い、建学の精神や教育の理念と合致したまれに見る大学キャラクターである。学生や教職員からも人気で、オリジナルグッズも豊富に作られている。

 大学創立者の中村春二は、知育偏重ではなく人格的にも優れた人間の育成を信念として教育を実践した。ピーチくんは「人格を備えた人間は、豊かな実を実らす桃や李(すもも)のように人々を惹き寄せそこには自然と蹊(こみち)が成る。そういう魅力的な人間を育てたい」という、創立者の想い「桃李不言 下自成蹊」から生まれた桃の精。

 ピーチくんは世間のゆるキャラブームに先駆け、1990年代から学生手帳をはじめとする学生向けの印刷物や掲示物など、学内にさりげなく登場し始めていた。成蹊学園の「建学の精神」や「名の由来」をもっと多くの学生や卒業生に知ってもらい、誇りをもってもらいたいという大学広報の思いから、2012年の学園創立100周年を契機に、オリジナルグッズを中心に活躍の場を広げていった。

 そして15年4月、多くの要望に応えてついに着ぐるみとして実体化。成蹊大学広報大使に就任し、ジューシーなピンク色とモフモフの毛並みで、多くの人々を魅了してきた。オープンキャンパスや卒業式などさまざまな学内行事に参加するだけでなく、理工学部の研究室を訪問したり、文学部の授業や経済学部のゼミに招へいされるなど、アカデミックな活動にも積極的に挑戦している。

 また、キャンパスを飛び出して、東京・吉祥寺の百貨店や駅ビルのイベント、全国のキャラクター祭典などにも参加。精力的にその活動の幅を広げており、今年もいくつかのイベントへの出演が決定している。

 ※「桃李不言 下自成蹊」 桃李(とうり)もの言わざれど 下自ら蹊(こみち)を成す。桃や李は何も言わないが、美しい花や良い香りの果実を求めて人が集い、その樹木の下には自然と蹊ができるという、李広将軍(中国前漢時代の弓の名手でもあった将軍)をたたえた故事。桃や李は人格者であることのたとえで、そのような人物は黙っていても、徳を求めて人々が集まってくるという意味を持つ。

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