【どうなる松本VS文春(4)】第1回口頭弁論 松本側「A子」「B子」特定を 文春側、争点明確にせよ

[ 2024年3月29日 05:00 ]

傍聴券の抽選のため、裁判所敷地内へ移動する人たち
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 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が、女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋と週刊文春編集長に5億5000万円の慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれた。文春側は請求の棄却を求め、全面的に争う構えを見せた。活動休止中の松本は出廷しなかった。

 注目を集める裁判のゴングが鳴らされた。この日は双方とも代理人弁護士だけが出席。法廷では準備書面の確認などが行われ、わずか5分で閉廷した。開廷前には、松本側の田代政弘弁護士が文春側の喜田村洋一弁護士に「よろしくお願いします」とあいさつし、喜田村氏も頭を下げて応じる場面もあった。

 ただ、開廷後はバチバチと火花を散らした。文春側は「複数の女性が受けた同意のない性的行為は真実」などと主張し、請求棄却を求めた。最大の争点を「真実性、相当性の点」とし、飲み会があったこと、性的行為があったこと、性的行為についてA子さん、B子さんが同意していなかったことなどを伝えた記事内容のどの部分について争うのか、争点を明確にするよう松本側に求めた。

 一方で松本側は、記事内で性行為を強要されたと訴えた「A子」「B子」の2人の特定を要望した。田代氏は「どなたかが分からないと(記事内容の)認否のしようがない」という松本の主張を説明。氏名や生年月日、携帯電話の番号、LINEアカウントや容姿の分かる写真など、個人情報の提出を文春側に求めた。この要求に文春側は応じず。SNS上でA子さんに対して身元特定をにおわす嫌がらせもなされているとし、松本側の要求はこうした嫌がらせを行っているSNSと「軌を一にするもの」と表現した。

 閉廷後、双方がそれぞれ取材に対応。田代氏は「相手が誰であろうと強制的な性加害はない」とした上で、女性2人の個人情報提出を求めた理由を「A子さん、B子さんが被害に遭ったと言って、それに対しての名誉毀損だとして裁判を起こしている。誰か聞くのは当然」と説明した。

 これに対して、喜田村氏は「そんなアホなことあるかいな」と首をかしげた。「記事に書かれていることをやっていないというのであれば、A子さん、B子さんが誰かとは関係ない。“まるっきりウソです”と言えばいいだけ」と指摘した。

 裁判が進めば、松本が出廷する可能性も出てくる。田代氏は「本人が拒否することはない」とし、松本は証言台に立つ気持ちを固めている。記事には、活動自粛中のスピードワゴン小沢一敬(50)ら後輩芸人の名前も出ている。田代氏は後輩芸人についても「必要であれば出廷してもらうことになる」と話し、今後の展開によっては証人出廷を依頼するとした。A子さん、B子さんも証人出廷する可能性が高い。

 次回期日は6月5日。


 ≪田代弁護士に聞く≫

 ――文春の記事にはJ子さんまで出ているが、A子さん、B子さんに絞った理由は?

 「そこに書かれているのが犯罪行為に匹敵する内容だったから」

 ――記事全体に真実性はないという立場?

 「そうではない。記事によって社会的評価が下がったということ」

 ――12月27日号が裁判の対象だが他の記事も対象になる可能性は?

 「可能性はある。本人次第」


 ≪喜田村弁護士に聞く≫

 ――A子さん、B子さんが顔や名前を出さずに証人として出ることはあるか?

 「証人に出るなら名前は出る。当然、閲覧制限をつける」

 ――文芸春秋総局長の新谷学氏が「客観的な証拠はない」と言っていたが?

 「その発言は知らない。基本的にセクハラなどは客観的な証拠といわれるものはなくても、裁判所は認定はしてくれる」

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