宝塚歌劇団 やっとパワハラ認めた 劇団員死亡から半年 阪急阪神HD全面謝罪し補償合意

[ 2024年3月29日 05:20 ]

会見を終え改めて深々と頭を下げる阪急阪神HD・嶋田泰夫代表取締役社長、同・大塚順一執行役員(右)、宝塚歌劇団・村上浩爾理事長(左)(撮影・奥 調)
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 宝塚歌劇団の劇団員の女性(25)が急死した問題で、親会社阪急阪神ホールディングス(HD)は28日、上級生らによる女性へのパワーハラスメントを認め、補償する内容で遺族側と合意書を締結し謝罪したと発表した。当初、パワハラを否定していた歌劇団側だが、遺族が主張した14件のハラスメントを認めた形。同日、角和夫HD会長らが遺族に直接謝罪。遺族側の代理人弁護士も都内で会見し、パワハラ行為に上級生ら10人が関わり、うち6人が謝罪文を提出したと明らかにした。

 歌劇団側の会見に出席した嶋田泰夫社長ら3人の幹部は「ご遺族の心情を思うと、取り返しのつかないことをして申し開きできない」と頭を下げた。歌劇団側はハラスメントが起きた背景や言葉の解釈には遺族側と相違が残ったとも説明し、合意したパワハラ行為の詳細を公表しなかったが、遺族側代理人は14項目を提示。「上級生がヘアアイロンでやけどを負わせた上、劇団員の気持ちをくんだ気遣いや謝罪を行わなかった」「上級生が“下級生の失敗は劇団員の責任である”と指導・叱責(しっせき)した」「上級生が“うそをついているか”と繰り返し詰問した」などを認めたとした。

 当初、「(いじめがあったなら)証拠を見せていただきたい」などと発言した歌劇団の村上浩爾理事長は、発言について記者に問われると「非常に恥ずかしく、申し訳ないという思いでいっぱい。思いが至らずにあのような発言をしたことを反省している」と後悔を口にした。

 長時間労働やパワハラを放置し、時代に合わせた教育をしなかったことは「怠慢だった」と歌劇団の過失を認めた。一方で、上級生については「悪意はなかった」と釈明し続け処分は行わない方針。女性が所属していた宙組の公演再開時期は年内との見解を示した。

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