地上波だからこそ…WBC決勝 視聴率平均42.4% 平日午前で驚異的

[ 2023年3月24日 05:10 ]

<米国・日本>優勝し歓喜の大谷(中央ら)侍ジャパンナイン(撮影・会津 智海)
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 テレビ朝日が22日に生中継したWBC決勝の日本―米国戦の平均世帯視聴率が、42・4%(午前8時25分~午後0時8分、ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが23日、明らかになった。本紙調べでは、平日午前のテレビ放送で視聴率が40%超を記録するのは2014年のサッカーW杯ブラジル大会の日本―コートジボワール戦以来9年ぶり。在宅率が低い時間帯に異例の高い数字になった。

 これで今大会の日本戦全7試合がいずれも40%超えを記録。ビデオリサーチ社は、4歳以上でいずれかの試合を1分以上視聴した人数を9446・2万人と推計しており、日本の総人口の約75%が何らかの形でWBCを生視聴していたことになる。民放幹部は「WBCが国民的に盛り上がるコンテンツの一つと証明された」と話した。

 決勝戦の中継では7回表の米国の攻撃終了後を最後に、優勝セレモニーなどの終了後まで1時間半以上CMが入らなかった。結果として8回裏の日本攻撃後、大谷が泥だらけのユニホーム姿でブルペンからマウンドに向かう様子も一部始終が伝えられた。視聴率推移を分析した本紙集計のグラフでは、試合の終盤ほとんど数字が下がることがなかったが、これには“ぶっ通し中継”も寄与したようだ。

 さらにクライマックスで数字を押し上げたのが9回表、最終打者となったマイク・トラウトに投じた「大谷の6球」だ。対決がスタートした時点で45・2%だった数字は、決着までの約2分間に0・8ポイント上昇。トラウトを空振り三振に仕留めて日本が優勝を決めた瞬間の午前11時43分には、瞬間最高の46・0%を記録した。

 テレビ局関係者は「今回はやはり大谷選手の大会だった。その一挙手一投足に大きな注目が集まった」と指摘。日頃は野球に興味がない若い女性による視聴も高い数字を記録したといい「これは地上波だからこそ起きたムーブメント。配信が注目を集める時代だが、改めて“テレビの力”を示すことができた」と話した。

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2023年3月24日のニュース