藤井王将“8時間が短く感じる”夢中で戦った世紀の一戦 初防衛にも「苦手や課題を改善できるように」

[ 2023年3月12日 20:15 ]

第72期王将戦第6局で投了し、藤井聡太王将(右)に対し一礼する挑戦者の羽生善治九段
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第6局は、11、12の両日、佐賀県上峰町の「大幸園」で指され、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)に88手で勝利し、通算4勝2敗でタイトルを防衛した。

 8時間の持ち時間で戦う対局を通して、2人が感じたことは共通していた。「第1局終局後のコメントで“8時間の持ち時間があっても短く感じる”ということを言っていた気がする。自分自身もそれを実感したシリーズだった。感想戦でもいろいろな検討ができて、非常に勉強になった」と、得たものは大きかったと明かした。

 初めてタイトルをかけて戦った羽生九段の印象については「8時間の持ち時間で6局指すことができ、今まで以上に羽生九段の柔軟さ、積極性を感じた。第1局の3七歩は、それ自体は相手に手番を渡すような手。でもこちらが踏み込むと一気に終盤になり、攻めるのが難しいことが分かった。やりづらそうに見える一手も掘り下げて可能性を見いだすところは強さだと思う」と語り、改めて52歳のレジェンドの凄さを実感したことを明かした。

 最後に「6局とも違う展開になり、その中で苦手や課題となる展開も見えた。その辺りを改善できるようにしたい」と、さらなる成長を遂げることを誓った。

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