藤井5冠、王将戦防衛!史上初8冠の道は 超ハード日程との戦い タイトル戦と重なる王座挑戦者決定T難関

[ 2023年3月12日 16:00 ]

<第72期王将戦第6局・2日目>羽織を脱ぐ藤井王将
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第6局は、11、12の両日、佐賀県上峰町の「大幸園」で指され、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)に88手で勝利し、通算4勝2敗でタイトルを防衛した。

 初防衛に成功した藤井聡太は5冠を堅持し、6冠目となる棋王戦も渡辺明棋王(38)=名人との2冠=に挑む5番勝負を2勝1敗で王手をかける。第4局は19日。今後、史上初の全8冠独占が話題になるが道のりはなお険しい。

 棋王戦の後は、8日に挑戦権を獲得した4月5日開幕の名人戦で渡辺と7番勝負を争う。また同月、開幕する叡王の防衛戦も挑戦者争いが3人にまで絞られた。例年6月から始まる棋聖戦はベスト8が出そろいつつある。

 王位戦も6人ずつが総当たりする紅、白組2組の挑戦者決定リーグが2回戦に突入した。7番勝負は例年6月末から7月にかけて始まる。

 以上、王将を獲得しても棋王1勝、名人4勝、叡王3勝、棋聖3勝、王位4勝のタイトル戦15勝が必要。その上で、例年9月から5番勝負が始まる永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を確保しなければならない。

 こちらは16人で争う挑戦者決定トーナメントに1回戦から出場する。挑戦権獲得には4連勝する以外になく、昨年は1回戦敗退した。トーナメントは例年4月末から7月にあり、その期間が、名人戦以降の4タイトル戦と重なる。王将、棋王とのダブルタイトル戦になった冬を越えても厳しい戦いは続く。

 羽生も96年、当時の全7冠を25歳で独占した。94年末に史上初の6冠になり最後の1冠を懸けて年明けから谷川浩司王将に挑んだ。3勝3敗で臨んだ第7局で千日手指し直しの末に敗れ、「また勉強して出直します」と再起を誓った。独占は遠のいたかと見られたが1年後、6冠全ての防衛に成功する離れ業。谷川に再挑戦すると4勝0敗で独占をかなえた。

 全8冠独占への道は近いようでそうとも言い切れない。

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