藤井王将「羽生九段と大舞台で戦えることが楽しみだった」伝説シリーズで初防衛「非常に楽しい時間だった」

[ 2023年3月12日 19:19 ]

<第72期王将戦第6局・第2日目>王将戦で初防衛を果たし、会見に臨む藤井王将(撮影・河野 光希)
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第6局は、11、12の両日、佐賀県上峰町の「大幸園」で指され、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)に88手で勝利し、通算4勝2敗でタイトルを防衛した。対局後には記者会見が行われた。

 会見の一問一答は以下の通り。

 ――王将を初防衛して。

 「難しい将棋が続いたシリーズ。大変な内容ばかりだったが、その中でも防衛という結果を出せて嬉しい」

 ――羽生九段からのの挑戦を受けて。

 「羽生九段と大舞台で戦えることが楽しみだった。内容としても全て違った戦型で、非常に充実したシリーズ。羽生九段の強さを感じられました」

 ――この後の棋王戦、名人戦に向けた抱負。

 「重要な対局が続くが良い状態で、少しずつでも実力を伸ばしていきたい」

 ――2勝2敗になった時の心境。

 「第4局は長考した場面でミスして、バランスを崩した。残念だと思ったが、改めて3番勝負だと思って臨んだ」

 ――羽生九段の強さとは?

 「第1局の3七歩など、羽生九段にたくさんいい手を指された。長時間の対局を指す中で、羽生九段の強さを感じた」

 ――厳しい戦いの中でも、羽生九段との将棋の面白さを感じた?

 「自分自身経験の少ない将棋も多く、その中で考えることができたのは非常に楽しい時間だった」

 ――シリーズを通して特定の戦型で戦うのと、全て違う戦型で戦うのはどちらが好き?

 「今シリーズ全て戦型が違うのは、羽生九段が意図されたこと。1つの戦型を突き詰めて指すのも楽しいが、経験の少ない新鮮な局面になるのは非常に面白かったし勉強になった」

 ――羽生九段の立ち居振る舞いで印象に残ったこと。

 「第1局終局後のコメントで“8時間の持ち時間があっても短く感じる”ということを言っていた気がする。自分自身もそれを実感したシリーズだった。感想戦でもいろいろな検討ができて、非常に勉強になった」

 ――番勝負を挟んで感じた羽生九段の印象。

 「8時間の持ち時間で6局指すことができ、今まで以上に羽生九段の柔軟さ、積極性を感じた。第1局の3七歩は、それ自体は相手に手番を渡すような手。でもこちらが踏み込むと一気に終盤になり、攻めるのが難しいことが分かった。やりづらそうに見える一手も掘り下げて可能性を見いだすところは強さだと思う」
 ――今回の対局が今後にどう生きる?
 「6局とも違う展開になり、その中で苦手や課題となる展開も見えた。その辺りを改善できるようにしたい」

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