服部五段 渡辺名人から金星 初参戦の王将リーグで初勝利し1勝1敗 「ホッとしてます」

[ 2022年10月7日 19:01 ]

<王将戦挑戦者決定リーグ>感想戦を行う渡辺名人に勝利した服部四段(撮影・木村 揚輔)
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは7日、東京都渋谷区の将棋会館で2局を行い、服部慎一郎五段(23)は渡辺明名人(38)に119手で勝利した。9月19日、初参戦のリーグ初戦で羽生善治九段(52)に敗れた服部は1勝1敗のタイへ星を戻し、タイトル初挑戦へ望みをつないだ。

 「中盤がすごく難解で、(75手目)▲2四歩と突き捨てて(81手目)▲5四金と出て少しよくなったかと思いました」。金銀3枚と角に守られた渡辺王を、縦攻撃からサイド攻撃への切り替えで崩壊へ導いた。

 棋士の最低段位・四段でリーグ初参戦を決めた後、9月30日の対局で勝利し五段に昇段した。四段で決めたリーグ参戦は第66期の近藤誠也七段(26)以来6期ぶり4人目で、「とりあえず1勝にホッとしてます」。7人総当たりで1枚の挑戦切符を争う短期決戦では、全勝も、もちろん全敗もあり得るとの危機感から見せた笑顔だった。全8冠中最古の歴史を誇る名人から挙げた、3度目の対戦での初勝利。「残り4局、どの将棋も全力で戦っていきたい」と全力投球を誓った。

 一方、開幕2連敗になった渡辺は「中盤の手の広いところでは色々あったと思う。気がついたらダメにしてしまっていた」。攻め将棋の渡辺が攻めのターンを見出せず、投了した。服部の右金の進撃に、7三角の射程を自ら閉ざした56手目△6四歩の辛抱も実らず「(近藤との初戦を含め)2局ともあまり内容がよくない。立て直せるように頑張っていきたい」。前王将で、5期獲得の大本命は挽回を期した。

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2022年10月7日のニュース