チューリップ、50周年 心の旅は終わらない――2日で1万人動員のメモリアルコンサート

[ 2022年6月6日 05:30 ]

50周年記念ツアーを行ったチューリップ(左から)上田雅利、姫野達也、財津和夫、宮城伸一郎
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 音楽グループ「チューリップ」が5日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで、50周年記念コンサートを開催した。この日は1972年のデビュー曲「魔法の黄色い靴」の発売日というメモリアルデー。リーダーの財津和夫(74)は「すっかりジジイバンドになりましたけど、最後までお付き合いください!」と呼び掛けた。

 50周年は2014年7月に脳出血のため亡くなったギターの安部俊幸さん(享年64)の悲願でもあった。12~13年にかけて行われた40周年コンサートで安部さんは「皆さんのお許しがあれば50周年も目指したい」と宣言していたという。ベースの宮城伸一郎(66)は「本当に50周年ができて、安部さんも喜んでいると思います」と振り返り、その時に歌った曲「思えば遠くへ来たものだ」を披露。ドラムの上田雅利(71)やギターの姫野達也(70)も思いを込め、天国に歌を届けた。

 前日4日と2日間合わせて約1万人を動員。ヒット曲「虹とスニーカーの頃」「心の旅」など全27曲を披露し、MCではメンバー4人で思い出話を展開。ファンにとっても熱い一日になった。高校時代から40年来のファンだという都内在住の50代女性は「私の青春。記念すべき日にコンサートに来られるなんてうれしい」と興奮。今回の演奏曲で最も新しい曲は82年リリースの「2222年ピクニック」で、財津も「自分でも忘却のかなたに行ってしまった曲ばかり選びました」と苦笑い。懐かしい曲ばかりのセットリストに観客は立ち上がり、笑顔で手拍子を打った。

 デビュー後は日本語ロックの先駆者的存在として地位を確立し“日本のビートルズ”とまで呼ばれたチューリップ。89年に一度解散し、97年に再結成。メンバーの訃報に加え、財津も17年に大腸がんを患うなど波瀾(はらん)万丈な50年を歩んできた。来年7月1、2日にも同所でライブを開催する。財津は「デビュー日にコンサートができるなんて感無量。いつかコロナが滅亡したら、皆さんマスクを取って歌いましょう!」と笑顔。最後は「魔法の黄色い靴」で結び、会場は温かい空気に包まれた。

 《1972年華々しい“同期”》チューリップと同じく1972年デビューの“同期”は、華々しいメンバーがそろった。松任谷由実(68)は旧姓の荒井由実として「返事はいらない」、郷ひろみ(66)は「男の子女の子」で同年デビュー。その他にも天童よしみ(67)の「風が吹く」、森昌子(63)の「せんせい」、武田鉄矢(73)率いる海援隊のアルバム「海援隊がゆく」、谷村新司(73)率いるアリスのシングル「走っておいで恋人よ」がリリースされている。

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2022年6月6日のニュース