渡辺名人、第5局は角換わり 昼食休憩までに34手 斎藤八段が銀獲りに歩を突き出す

[ 2022年5月28日 12:20 ]

岡山県倉敷市で名人戦第5局に臨んだ渡辺明名人(左)と斎藤慎太郎八段(日本将棋連盟提供)
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 渡辺明名人(38)=棋王との2冠=が斎藤慎太郎八段(29)の挑戦を受ける第80期名人戦第5局は28日午前9時、岡山県倉敷市で1日目が始まり、戦型は渡辺の先手で角換わりになった。10手目、斎藤が角交換へ踏み込み、雁木との分岐点から選択した。

 正午までに34手進み、金矢倉に組み上げた斎藤が居王のまま、渡辺の腰掛けた銀へ歩を突きだし、応対を問うている。対戦成績は渡辺の3勝1敗。渡辺は3連覇に王手をかけ、斎藤が勝てば第3局に続く2勝目となる。昼食メニューは渡辺が瀬戸内海産べいすけ穴子煮重、斎藤が岡山県産和牛すき焼き丼。

 前日27日に行われた前夜祭。渡辺は倉敷を訪れるのが初めてと明かした。大山康晴15世名人の故郷として知られ、大山名人記念館があり、女流棋戦の倉敷藤花戦も開催される、将棋ゆかりの町。「この年になるまで来たことがなかったのはお恥ずかしい」と苦笑いしつつ、「歴史の重み、伝統を感じながら臨みたい」と語った。

 奈良市出身の斎藤は小学生時代、倉敷王将戦で訪れたエピソードを披露した。今回改めて記念館で展示品を見学し、「ますます大山先生の残されたことの偉大さを感じた。少しでも先生に続けるよう、一生懸命頑張りたい」と巻き返しに意欲を見せていた。

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2022年5月28日のニュース