テリー伊藤 石原慎太郎氏は「『本当は愛されながら死にたいよな』なんて」「本質を見抜く力を持った」

[ 2022年2月2日 13:23 ]

テリー伊藤
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 演出家でタレントのテリー伊藤(72)が2日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(月~木曜前8・00)に出演。1日に死去した元東京都知事で作家の石原慎太郎氏(享年89)を追悼した。

 石原氏と親交が深いテリーはこの日、電話で出演し、「落ち込んだというか、寂しいですよね」と語り出した。最後に会ったのは1年半前で、食事をともにしたといい、「その時もいろいろ普段の石原さんとは違って僕にはかなり本音の部分とか、政治家ではなくて、作家の部分でいろいろ話してくれたんですけど」と明かした。

 石原氏は膵臓(すいぞう)がんを昨年10月に再発していたが、食事の際には「がんがしんどいんだっていう話もしてくれました。千葉の方の病院で治療してると」とテリー。さらに「報道でですね、政界を引退した時に『死ぬまで憎まれていたい』と言われてますけれども、『まああれは実は冗談で、本当は愛されながら死にたいよな』なんて言ってたんですね」と振り返った。

 テリーはまた「脳梗塞で倒れましたよね。石原さん凄いなと思ったのは実は(原稿は)手書きしてたんですけれども、漢字が書けなくなったんですよ。『漢字が思い出せない』と。で、どうしているかと言うと、古いワープロ取り出してきて、それからワープロで打ちだしたんですね」とも説明。脳梗塞は大変だっであろうと振られると、「だと思いますよね。それでも昨日あたりの報道ですと最後の最後まで物を書いていたということなんですけれども、非常に意識としては凄い意識があったような気がしますね」と推測した。

 人としての石原氏はどんな人だったかと聞かれると、「本質を見抜く力を持った、非常に繊細な、ナイーブな、表の強気な政治家の部分と違った、そうでなければ文章書けないよなっていう人ですよね」。また石原氏に誘われ、銀座の高級レストランに出かけ、料理が提供される際に、1品づつ詳しい説明があったが、3品目あたりになると石原氏が「もういい。能書きはいいから食べさせてくれ。料理は食べる人が決めるものだ。あなたが決めるものではないんだ」と話したとし、テリーは「これは石原さんの本質を見抜く力だと思うんですよ。凄いなと思って。言われればその通りだと思って。それを銀座の一流レストランで言えないですよ。流れの中で従うじゃないですか。そういうことはしなかったですね。いろんな面においても」と語った。

 政治家としての評価はどうだったかと問われると、「それこそ石原さんが晩年言ってたことなんですけれども、『ほとんどの政治家が実は国民のことを思いながら自分の保身だ』って言ってたと思うんですよ。石原さんは帰るところがあるのかもしれないけど、政治家としての何たるかってことを本当に分かっていた気がしますね」と力説した。

 また「1つだけ石原さんが涙ぐんだシーンを思い出すんですけれども、ロンドンオリンピックありましたよね。日本も実は立候補したじゃないですか。あの時に負けましたよね。『じつはテリーさん、俺、帰りの飛行機の中で始めて泣いたんだ。政治家になって。悔しくて』って言ったんですよ」と告白。その際石原氏はなぜダメだったのという理由について「それは皇室が出てこない」とも語っていたとし、「東京オリンピックの招致の時って高円宮妃殿下が御活躍しましたよね。あれはロンドンで負けたから、今度はっていう気持ちがあったんじゃないかと思うんですよね。もちろん安倍(元首相)さんの力もあったと思うんですけども、そういう思いの中で、東京五輪に対する、ものすごくスポーツと芸術っていうもの、自分は作家ですよね、弟さんは俳優じゃないですか。芸能に対して物凄く思いがありましたね」と振り返った。さらに「彼がやりたかったもう一つとしては、アーティストのオリンピックみたいなものをやりたかったんじゃないですかね。将来的には」とも語った。

 石原氏が自身の感性を信じ、批判をおそれず、自分の意見を話す人だったと振られると、「本当にそうだと思いますよ。だから惜しい人をなくしたっていうか、政治家、もちろん僕らも含めてネットで中傷されるのが怖いからって、あたりさわりのない言葉を、本当はこういう思いがあるけれども、ちょっと引いとこうって言うのは石原さんはしなかったと思うんですよ」と力を込めた。

 また石原氏が都知事になった際にはテリーのところへ連絡があり、「テリーさん、僕に番組作ってくれよ。俺も世間に疎いからな」と言われたことも明かし、「そういうことを素直に言って、素直に吸収する。『おい、今新宿どうなってんだ、ホストクラブどうなってんだ』とか普通に聞いてきましたよね」とも懐かしそうに語った。

 

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