「鎌倉殿の13人」言語不明瞭な佐々木秀義にネット爆笑!康すおん“歯がない特殊メーク”台詞は絶妙匙加減

[ 2022年1月30日 20:45 ]

「鎌倉殿の13人」第4話。何を言っているのか分からない佐々木秀義(康すおん)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は30日、第4話が放送され、源頼朝(大泉洋)の挙兵に老兵たちが集結。中でも名脇役の康(かん)すおん(62)演じる佐々木秀義の“言語不明瞭ぶり”がSNS上で反響を呼んだ。康に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第4話は「矢のゆくえ」。治承4年(1180年)8月、ついに挙兵を決断した源頼朝(大泉)の一党は、伊豆国の目代・山木兼隆を討って初戦を飾るべく戦支度を始める。しかし、頼朝の乳母子である山内首藤経俊(山口馬木也)に助力を断られるなど、強大な平家の威光の前に思うように兵が集まらない。強気な兄・宗時(片岡愛之助)とは対照的に、自身の浅慮を後悔する北条義時(小栗)。そんな中、対岸の江間館で暮らす八重(新垣結衣)が義時に声を掛け…という展開。

 今回、康が演じる佐々木秀義は、頼朝の父・義朝に従って戦った平治の乱で敗れ、坂東に逃れた元近江の豪族。挙兵に加わった土肥実平(阿南健治)岡崎義実(たかお鷹)らと同じく老兵。歯がほとんど抜けており、何を言っているのか分からない。頼朝との“通じない会話”が視聴者の笑いを誘った。

 佐々木秀義「佐殿!」

 頼朝「佐々木ではないか。よう来てくれた。」

 語り(長澤まさみ)「佐々木秀義。頼朝の祖父・為義の娘婿。この時、68」

 佐々木秀義「うれしゅうございます。○※×▲☆平家打倒に○※×▲☆」

 頼朝「何を言っているか分からんが、ありがたい。なぁ、佐々木」

 佐々木秀義「○※×▲☆(大庭?)に呼ばれて、佐殿の(謀反?)○※×▲☆」

 頼朝「そうであったか。ははははは」

 安達盛長(野添義弘)「佐々木殿、兵の数はいかほどに」

 佐々木秀義「は?」

 頼朝「何名加勢してくれるのじゃ」

 佐々木秀義「息子が4人」

 頼朝「4人」

 安達盛長「いつ、こちらに到着する」

 佐々木秀義「あさあ」

 安達盛長「明日の朝だな」

 頼朝「まぁよい。大事なのは数ではない。心意気じゃ。うれしいぞ、佐々木。ははははは」

 その後、夕方になっても佐々木の息子たちが現れず。義時は「あの~、佐々木殿は朝ではなく『さぁ?』と仰ってるのではないですか」――。

 今回、康が演じる佐々木秀義は、頼朝の父・義朝に従って戦った平治の乱で敗れ、坂東に逃れた元近江の豪族。挙兵に加わった岡崎義実(たかお鷹)らと同じく老兵。歯がほとんど抜けており、何を言っているのか分からない。SNS上には「歯抜け過ぎて何言ってるか分からないw」「聞き取れないwリアリティーあるぞw」「字幕欲しいw」「癖が強い!」「いかん、笑いが止まらんw」などの声が続出。頼朝との“通じない会話”が視聴者の爆笑を誘った。

 制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサーによると、頼朝の挙兵に年老いた武士が集まったのは史実だが、佐々木秀義の歯がほぼ抜けているのは三谷氏ならではの創作。康は特殊メークで演じている。19年の大河「いだてん~東京オリムピック噺~」で日本人女性初の五輪金メダリスト・前畑秀子(上白石萌歌)の父・前畑福太郎役を好演した康に再オファー。「佐々木秀義も面白く演じてくださいました。『いざ戦うぞ』という時には頼もしい坂東の古武士に。短いシーンでも独特な味を入れて目を奪う素晴らしい俳優さんだと思いました」と起用理由を説明し、称賛を送った。

 康は「佐々木秀義はこの時、68歳。当時の年齢としてはかなりの年配で、しかも脚本では『歯がなく、言語不明瞭』。このキャラクターをどこまで膨らますことができるのか、ワクワクしました」と出演オファーの心境。

 三谷作品は02年公開の映画「竜馬の妻とその夫と愛人」(監督市川準)以来、20年ぶりの参加。「本当にうれしかったです。三谷さんの脚本はしっかりとした骨格の上に、クスッとしたオフビートの笑いのエッセンスが散りばめられている。人物たちが右往左往しているのが浮かんで、読み返すたびに笑いが止まりませんでした。その脚本に出演者たちがどう向かっていくのか、そしてどう演出が入るのか、リハーサルが楽しみでした」とクランクインが待ち遠しかった。

 撮影は歯の抜けた特殊メークも施し、毎回1時間半を要したが「顔つきが変化していく過程で、自分との年齢差を埋め、キャラクターに入っていきました」と役作りの一部に。言語不明瞭な台詞回しについては「演出の方からは『佐々木秀義は言語は不明瞭だけど、何となく分かる微妙な話し方にしてほしい』という要求があり、その匙加減の微調整を最後まで繰り返していました」と明かした。

 「佐々木秀義は、命を懸けた戦(いくさ)を戦い抜いてきた人物。今回も頼朝の元へ駆けつけて、前線で若者と共に戦おうとする。お爺さんに見えるが、強靭な肉体と精神を持つ『現役』に違いない。しかも、戦に行きたくてしょうがない愛敬のある人物で『戦=祭』の充実感をイメージして演じました」

 今後も登場。「それぞれの思惑が思った通りにいかなかったり、交差したり、ズレたり、つながったりと、人間関係が本当に面白い。是非見て楽しんでいただけたら、うれしいです」と呼び掛けた。

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